ニュース速報

ビジネス

米国株は下落、ボーイングとJ&Jが重し

2019年10月19日(土)08時34分

 18日、米国株式市場は下落して終了した。企業決算はおおむね好調だったものの、中国の経済成長が鈍化したことに加え、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とボーイングを巡るマイナスのニュースが出てきたことでリスク選好度が後退した。写真はニューヨーク証券取引所。10月18日撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米国株式市場は下落して終了した。企業決算はおおむね好調だったものの、中国の経済成長が鈍化したことに加え、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とボーイングを巡るマイナスのニュースが出てきたことでリスク選好度が後退した。

週足ではナスダック総合とS&P総合500種が上げたものの、この日は主要3指数はそろって下落。J&JとボーイングがS&P総合500種の重しとなった。

ボーイングは6.8%安で終了。墜落事故を起こした「737MAX」型機の安全性について、ボーイングが米連邦航空局(FAA)当局者を誤った方向に導いた可能性があることがボーイングの従業員2人が交わしたテキストメッセージで示されたとロイターが報じたことが売り材料となった。

J&Jは6.2%安。米食品医薬品局(FDA)の検査で同社のベビーパウダーから微量のアスベストが検出されたことを受け、国内でベビーパウダー約3万3000個をリコール(自主回収)すると発表した。

中国国家統計局がこの日に発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年比6.0%増と、伸び率は市場予想を下回り、1992年の四半期統計開始以来、最低だった。米中貿易戦争の影響による製造業の生産低迷が響いた。

スパルタン・キャピタル証券(ニューヨーク)の首席市場エコノミスト、ピーター・カルディリョ氏は「経済が弱体化している兆候が出ていることに疑いはない」と指摘。「市場心理は企業決算に関してはプラスだが、この日の取引では中国のGDP統計のほか、ボーイングとJ&Jを巡るニュースが重しとなった」と述べた。

第3・四半期決算については、S&P総合500種を構成する企業のうち73社がこれまでに発表。リフィニティブによると、このうち83.6%が平均予想を上回った。

個別銘柄では、石油サービス大手シュルンベルジュが1.3%高。この日発表した第3・四半期決算は、のれん代減損損失127億ドルを計上したことで損失が約110億ドルと過去最大となったが、新最高経営責任者(CEO)はシェール・油田事業の拡大からソフトやサービス主体に転換する方針を表明した。

アメリカン・エキスプレス(アメックス)は2.0%安。 第3・四半期決算は利益が予想を上回ったものの下落して終了した。

コカ・コーラは1.8%高。第3・四半期(9月27日まで)決算は、「コカ・コーラゼロシュガー」などソーダのミニ缶販売が好調だったことで売上高が市場予想を上回った。

来週はボーイングのほか、キャタピラー、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどが決算を発表する。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.03対1の比率で上回った。ナスダックでも1.41対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は62億4000万株。直近20営業日の平均は65億5000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 26770.20 -255.68 -0.95 27004.4 27018.2 26770.1 <.DJI>

9 5 3

前営業日終値 27025.88

ナスダック総合 8089.54 -67.31 -0.83 8149.85 8157.36 8045.38 <.IXIC>

前営業日終値 8156.85

S&P総合500種 2986.20 -11.75 -0.39 2996.84 3000.00 2976.31 <.SPX>

前営業日終値 2997.95

ダウ輸送株20種 10508.74 +12.56 +0.12 <.DJT>

ダウ公共株15種 866.01 +3.67 +0.43 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1590.09 -17.07 -1.06 <.SOX>

VIX指数 14.25 +0.46 +3.34 <.VIX>

S&P一般消費財 958.79 -3.11 -0.32 <.SPLRCD>

S&P素材 360.60 -0.37 -0.10 <.SPLRCM>

S&P工業 648.41 -5.70 -0.87 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 623.45 +1.17 +0.19 <.SPLRCS>

S&P金融 466.45 +1.08 +0.23 <.SPSY>

S&P不動産 247.02 +2.39 +0.98 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 420.67 -2.30 -0.54 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1061.63 -3.58 -0.34 <.SPXHC>

S&P通信サービス 170.48 -1.50 -0.87 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1419.82 -13.06 -0.91 <.SPLRCT>

S&P公益事業 323.94 +1.18 +0.36 <.SPLRCU>

NYSE出来高 8.97億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 22505 + 45 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物12月限 円建て 22490 + 30 大阪比 <0#NIY:>

(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 6
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 7
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 8
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中