ニュース速報

ビジネス

アジア地域の成長見通しに陰り、貿易摩擦が影響=IMF

2019年10月19日(土)01時58分

 18日、国際通貨基金(IMF)は、米中貿易摩擦や中国の需要低下がアジア地域に悪影響を及ぼしているため、アジア各国は経済見通しに対するリスクの高まりに直面しているとの見方を示した。写真はIMFのロゴ。ワシントンで2018年9月撮影(2019年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 18日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は18日、米中貿易摩擦や中国の需要低下がアジア地域に悪影響を及ぼしているため、アジア各国は経済見通しに対するリスクの高まりに直面しているとの見方を示した。

IMFは15日に発表した世界経済見通し(WEO)で、アジア太平洋地域の経済成長率見通しを2019年で5.0%、20年で5.1%と、世界金融危機以降で最も低い伸びに引き下げた。

IMFの李昌鏞(イ・チャンヨン)アジア太平洋局長はIMFと世界銀行の会合の記者会見で、「世界的な政策の不確実性と主要な貿易相手国の成長鈍化からの逆風が製造業や投資、貿易、成長に悪影響をもたらしている」と指摘。「リスクは下方向に傾いている」とし、アジア地域の政策当局者に対し成長促進に向けた短期的な財政・金融政策に焦点を当てるよう求めた。

また「米中間の通商面での緊張激化が信頼感や金融市場を一段と圧迫し、貿易や投資、成長を弱める可能性がある」と言及。アジア各国の多くが有するサプライチェーンは中国と密接に結びついているため、中国経済成長の予想を上回る減速もアジア地域にマイナスの波及効果をもたらすとした。

IMFは貿易摩擦や過剰債務に対応するための規制厳格化による影響を指摘した上で、中国の経済成長率見通しを19年で6.1%、20年で5.8%に引き下げた。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口減少を補うか
  • 3
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過去最高水準に
  • 4
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 5
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 7
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 8
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 9
    ビーチを楽しむ観光客のもとにサメの大群...ショッキ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 5
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中