ニュース速報

ビジネス

シティ、第3四半期利益が予想上回る 債券取引の増収や費用減で

2018年10月13日(土)01時58分

 10月12日、米金融大手シティグループの第3・四半期決算は債券トレーディング収入の増加やメキシコの個人金融事業の好調、費用減が寄与し、利益が市場予想を上回った。ロンドンで昨年11月撮影(2018年 ロイター/TOBY MELVILLE)

[12日 ロイター] - 米金融大手シティグループの第3・四半期決算は、債券トレーディング収入の増加やメキシコの個人金融事業の好調、費用減が寄与し、利益が市場予想を上回った。

シティの株価は一時2.4%上昇。その後は約1%高で推移した。

債券トレーディング収入は9%増加。10%減となったJPモルガン・チェースと明暗が分かれた。

エスカレートする米中貿易摩擦の状況を踏まえ、米銀大手5行の 債券トレーディング事業の収益動向が注目されている。シティは9月、債券およびトレーディング総収入が横ばいないし小幅増にとどまるとの見通しを示していた。

グローバル・コンシューマー・バンキング部門は2%の増収。為替変動の影響を除外したベースでは3%の増収だった。

とりわけ、中南米のコンシューマー・バンキング事業の収入はメキシコ資産運用事業の売却収入も含めて20%増加。事業売却分を除外すると8%増だった。

業績が懸念視されていた北米クレジットカード事業は3%減収。ホテル「ヒルトン」ブランドのクレジットカード・ポートフォリオ売却が響いた。ただ、同影響を除くベースでの純金利収入は18億8000万ドルと、前四半期から5%、前年同期から3%それぞれ増加した。

投資銀行部門の収入は8%減少し12億ドル。シティは投資銀行収入については、案件の規模や予想する終了時期に鑑み小幅減少と予想していた。

純利益は46億2000万ドルで前年同期の41億3000万ドルから増加した。1株利益は1.42ドルから1.73ドルに増加。自社株買いで発行済み株式総数が前年比8%減少したことが寄与した。リフィニティブのI/B/E/Sデータによると、アナリストの1株利益予想の平均は1.69ドルだった。

総収入は183億9000万ドルで、前年同期の184億2000万ドルから小幅減少した。

営業費用は1%減の103億1000万ドル。

経費効率性を示す指標は56%だった。

米税制改革で実現した減税の恩恵で、所得税準備金は3億9500万ドル減少した。

有形自己資本利益率(ROTCE)は11.3%。コーバット最高経営責任者(CEO)は2020年までに13.5%とする目標を掲げている。

*内容を更新しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中