ニュース速報

ビジネス

米Wファーゴ、7─9月期は32%増益 コスト削減が奏効

2018年10月13日(土)04時49分

[12日 ロイター] - 米銀大手ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)が12日発表した7─9月期決算は、コスト削減計画が奏功し、32%の大幅な増益となった。

総非金利費用は4.1%減の137億ドル。前年比での減少は今年に入ってから初めてとなる。

シュリューズベリー最高財務責任者(CFO)は2020年までに費用を約30億ドル削減する目標を表明。向こう3年間で約800の支店を閉鎖し、従業員の10%を削減する。

経費削減と減税の効果で大幅な増益となったものの、アナリストの間では収入低迷や融資縮小に対する懸念が出ている。

総収入は0.4%増の220億ドル。部門別で増収となったのは地域銀行部門のみだった。リフィニティブのI/B/E/Sデータがまとめたアナリスト予想では219億ドルだった。

総融資は1%減の9423億ドル。新規住宅ローンが130億ドル減少した。

これに対し、最大手のJPモルガン・チェースの同四半期の総収入は5.2%増、融資残高の平均は6%増となっている。

エドワード・ジョーンズのアナリスト、カイル・サンダース氏はWファーゴについて「融資と収入の伸びが引き続き課題となっている」と述べた。

ただ金利上昇を受けて、純金利マージン(NIM)は2.94%と前年同期の2.86%から上昇。普通株主帰属の純利益は54億5000万ドル(1株当たり1.13ドル)と、前年同期の41億3000万ドル(同0.83ドル)から増加。ただ調整後の1株利益は1.16ドルと、アナリスト予想の1.17ドルに届かなかった。

Wファーゴは、個人向け銀行業務などで不祥事が相次ぎ、過去2年にわたり信頼回復に向けて取り組んでいる。ムーディーズ・インベスターズ・サービスの上級バイスプレジデント、アレン・ティシュラー氏は「今回の決算は前期に比べ雑音が少ないが、これまでの不祥事によるさらなる落ち込みは払拭できていない」と述べた。

連邦準備理事会(FRB)はWファーゴの一連の不祥事を受け、同行に対し企業統治(コーポレートガバナンス)とリスクコントロールが改善されるまで資産規模を1兆9500億ドル以下に抑えるよう命じている。

9月末時点の資産規模は1兆8800億ドル。WファーゴはFRBが同制限措置を来年上半期に解消するとの見通しを示している。

*内容を更新しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マクロスコープ:日中関係悪化、広がるレアアース懸念

ワールド

アジアのハイテク株急伸、エヌビディア決算でAIバブ

ビジネス

午前のドルは157円半ば、10カ月ぶり高値 円安け

ワールド

スロバキア、ロシア産ガス供給停止計画巡りEU提訴検
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 8
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中