ニュース速報

ビジネス

海外企業とのエンゲージメント活動強化=三井住友トラストAM社長

2018年10月12日(金)00時23分

[東京 12日 ロイター] - 三井住友トラスト・ホールディングス <8309.T>傘下の運用会社、三井住友トラスト・アセットマネジメント(AM)の菱田賀夫社長はロイターとのインタビューで、投資先の海外企業とのエンゲージメント(意見交換)活動を強化する方針を示した。グローバル化を進める投資先の日本企業とのエンゲージメント活動にもプラスになるとした。

三井住友トラストAMは1日、グループの三井住友信託銀行の運用部門を分割・統合した。運用資産は9月末時点で66兆円となり、みずほフィナンシャルグループ <8411.T>のアセットマネジメントOneを抜いて国内で最大、アジアでも最大規模の運用会社となった。

菱田社長は統合の背景について「機関投資家は銀行、個人は投信会社と顧客に分けて資産運用業務を展開してきたが、機関投資家と個人のニーズが似通ってきた。一体化することで運用事業を強化できると判断した」と語った。

菱田社長は、今後の取り組み方針として「テクノロジーが進歩する中で、運用会社が何で生き残るのかというと、投資先企業としっかり対話して付加価値を上げること。それはAI(人工知能)が取って代わることはない。その活動を通じて企業価値が上がれば運用パフォーマンスも上がり、自ずと手数料ももらえる」と述べ、エンゲージメントの重要性を強調。

特に海外企業とのエンゲージメントを強化するとした。同社が議決権を行使している企業は、国内が2200社、16兆円なのに対して、海外は2500社、15兆円で海外企業への投資が増えている。

菱田社長は「海外企業への投資をしているので、もちろん必要だが、それに加えてグローバル化が進んでいる日本企業とのエンゲージメントにも役に立つ。日本企業もグローバルな業界動向や、どのように考えなければならないのかを求めている。相互交流が重要だ」と語った。

17年度に実施した海外企業に対するエンゲージメントは、企業数で104社、対話数で134社となった。数値目標は立てていないが、回数や対象企業を順次増やしていく。

国内運用会社は海外企業に対するエンゲージメントへの取り組みが本格化できておらず、三井住友トラストAMは先陣を切って対応する考えだ。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中