ニュース速報

ビジネス

米サンフランシスコ連銀、労働経済学者のデイリー氏を総裁に指名

2018年09月15日(土)05時44分

[フォートウェイン(米インディアナ州) 14日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀は14日、同連銀のリサーチ部門主任のメアリー・デイリー氏(55)を次期総裁に指名したと発表した。

10月1日付で就任し、11、12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つことになる。

ウィリアムズ前総裁が6月にニューヨーク連銀総裁に就任してから、同ポストは空席となっていた。

デイリー氏は、経済格差や賃金動向、労働力ダイナミクスなどの研究で知られる労働経済学者で、段階的なペースでの利上げを支持する公算が大きい。

高校を中退したが、後にシラキュース大学で博士号を取得。1996年にサンフランシスコ地区連銀のリサーチ部門に入り、17年から同部門の主任を務める。

デイリー氏の就任によって、地区連銀の女性総裁は3人となる。また、同氏は同性愛を公表している初のFRB幹部となる。

デイリー氏は7月、米経済見通しは「驚くほど明るい」と判断。その上で、失業率が低下を続けるとの見通しを示しつつも、「賃金インフレ高進の兆候が限られる中、総合インフレが短期的に高進する兆候もほぼない」との認識を示した。

同時に、FRBは金利を低水準にとどめることで、経済を過熱させることはできないともけん制。「経済の拡大を維持しながら、景気を過熱させないよう、インフレ高進を回避することが必要だ。しかし、『パンチボウル(緩和的金融政策)』を早期に片付けてしまうことで、景気を冷え込ませることも望ましくない」と述べた。

イエレン前FRB議長は「デイリー氏は素晴らしいエコノミストで、労働市場に関するFRBの理解を深めることに大きく寄与してきた」と賞賛している。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米FDA、大塚製薬の抗精神病薬に効果懸念表明 試験

ワールド

コカ・コーラ、米で「本物のサトウキビ糖」の使用に同

ワールド

米CFTCが職員解雇を開始、連邦最高裁の削減容認受

ワールド

米司法省、コミー連邦検事補を解任 元FBI長官の娘
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 9
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 7
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 8
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 9
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中