ニュース速報

ビジネス

日経平均は急反落、貿易戦争の警戒で全面安 下げ幅一時1000円超

2018年03月23日(金)15時36分

 3月23日、東京株式市場で日経平均は前日比974円安となり、急反落した。下げ幅は今年2番目の大きさ。終値は昨年10月3日以来の水準まで下落した。写真は都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 23日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は前日比974円安となり、急反落した。下げ幅は今年2番目の大きさ。終値は昨年10月3日以来の水準まで下落した。トランプ米大統領が中国製品への関税を目指す大統領覚書に署名したことを受けて貿易戦争への懸念が拡大。海外投資家がリスク資産を圧縮する動きが加速した。一時1000円を超す下げとなったほか、東証1部銘柄の98%が値下がりする全面安商状となった。

TOPIXは昨年9月27日以来、約半年ぶりの安値水準で取引を終了した。東証33業種全てが下落。機械、精密機器、非鉄の下落率は5%を超えた。「この局面で貿易戦争の渦中に入るような銘柄は持てない」(銀行系投信)という。東証1部の売買代金は3.6兆円を超え、今年2月13日以来の高水準。ボラティリティーの拡大に伴うヘッジファンドなどの売りも出たとみられている。

トランプ米大統領が国家安全保障問題担当のマクマスター大統領補佐官を解任し、後任に外交強硬派として知られるジョン・ボルトン氏を起用するとツイッタ―で明らかにしたことで、地政学リスクの高まりへの警戒感も強まった。日経225オプション4月限では1万9000円プット(売る権利)や2万円プットの出来高が膨らみ、さらなる株安に備える動きがみられた。

一方、個人投資家は押し目買いに動いたとの見方が多い。日経平均が1%上昇した際に、2%上昇するような運用を目指す日経平均レバレッジ・インデックス連動型ETF<1570.T>の出来高は増加。日経平均の下げ幅が今年最大となった2月6日以来の規模に膨らんだ。

松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「個人は押し目買いに動いているが、今後は米中間で制裁の応酬が警戒される。海外勢の売りがすぐに止むとは考えづらい」と話す。

個別銘柄ではテクノプロ・ホールディングス<6028.T>が東証1部銘柄の値下がり率でトップ。22日、海外公募による200万株の新株発行を行うと発表した。1株利益の希薄化や需給悪化を懸念する売りが出た。半面、東亜建設工業<1885.T>が急伸。22日に発表した通期の利益予想と期末配当予想の上方修正を好感した買いが入った。

東証1部の騰落数は、値上がり29銘柄に対し、値下がりが2042銘柄、変わらずが9銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20617.86 -974.13

寄り付き    21188.80

安値/高値   20559.61─21188.80

TOPIX<.TOPX>

終値       1664.94 -62.45

寄り付き     1696.34

安値/高値    1661.23─1696.34

東証出来高(万株) 191438

東証売買代金(億円) 36039.43

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カナダ首相、対ウクライナ25億ドル追加支援発表 ゼ

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中