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ドル一時106.30円、1年3カ月ぶり円高水準

2018年02月15日(木)15時30分

 2月15日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から円高が進み106円半ば。一時106.30円まで売られ、2016年11月11日以来、1年3カ月ぶり円高水準をつけた。前日から続くドル安の流れに歯止めがかからなかった。写真は米ドル札と日本円紙幣。昨年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

[東京 15日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から円高が進み106円半ば。一時106.30円まで売られ、2016年11月11日以来、1年3カ月ぶり円高水準をつけた。前日から続くドル安の流れに歯止めがかからなかった。

朝方から上値の重い展開で始まったドル/円が下げ幅を広げたのは正午前。特段の手掛かりはなかったが「ドル/円でどうしても下をやりたい参加者がいる」(国内金融機関)といい、短期筋が主導した仕掛け的な売りだったという。

麻生太郎財務相の午前の発言が円高地合いを強めたとする声もあった。財務相は衆院予算委員会で「今の状況において、特別に介入しなければならないほどの急激な円高でも円安でもない」と述べた。発言が伝わった直後、ドルは106.83円付近から106.50円付近まで下落した。

前日海外市場では、注目を集めていた米国の1月消費者物価指数(CPI)が予想を上回った一方で、同時に発表された1月小売売上高が予想外の減少となり、株式市場もドルも乱高下。結局、株高と金利上昇が進みつつドルが下落する珍しい展開となった。

<金急伸、米インフレヘッジの思惑 ドル安にひと役>

市場では前日海外時間の金相場の急伸ぶりが話題となった。中心限月4月物は2%超上昇。1オンス=1358ドル付近と、1月に付けた1年半ぶり高値に再び接近した。

きっかけとされるのは米の1月CPI。予想を上回る結果に「インフレヘッジ狙いや期待インフレ率の高まりが金価格を押し上げる」(外銀)との思惑が広がったという。

前日のドルは全面安。その背景はさまざま指摘されているが、ドルと逆の値動きとなりやすい金相場が急伸したことも、ドルの下落圧力を強めた可能性がある。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 106.54/56 1.2464/68 132.82/86

午前9時現在 106.54/56 1.2451/55 132.84/88

NY午後5時 107.00/03 1.2448/52 133.22/26

(為替マーケットチーム)

ロイター
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