ニュース速報

ビジネス

マツダ、円安で10―12月期営業益は2.2倍 米国販売は厳しく

2018年02月07日(水)18時44分

 2月7日、マツダ は、第3・四半期(2017年10―12月期)の営業利益が前年同期に比べ約2.2倍の306億円だったと発表した。米国での販売が低迷したが、コスト改善や円安効果が寄与した。写真はメキシコシティで昨年11月撮影(2018年 ロイター/Henry Romero)

[東京 7日 ロイター] - マツダ<7261.T> は7日、第3・四半期(2017年10―12月期)の営業利益が前年同期に比べ約2.2倍だったと発表した。米国販売は厳しかったが、円安効果が寄与した。前提為替レートの見直しなどにより、18年3月期通期見通しは売上高を上方修正した。通期の営業利益、純利益は従来予想を維持する。米国での販売費用増など考慮した。

10―12月期の営業利益は306億円で、トムソン・ロイターが算出したアナリスト9人の予測平均値334億円をやや下回った。

通期売上高は従来予想から1500億円増となる3兆5000億円に上振れる。通期の前提為替レートを1ドル=111円(従来は110円)、1ユーロ=130円(同127円)と円安方向にそれぞれ見直した。 

17年4―12月期の営業利益は前年同期比5.1%増の1071億円だった。米国での出荷減少や販売奨励金(インセンティブ)の増加などで242億円の減益要因となったが、円安など為替影響が315億円押し上げ、米国の不振を補った。

<中国は好調、米国はセダン系不調>

通期の世界販売計画は従来の160万台を据え置いたが、地域別では、セダン系車種が不振の北米を1万3000台引き下げ、好調な中国を1万6000台引き上げた。

4―12月期の世界販売は前年同期に比べ2%増の118万6000台と同期として過去最高となった。中国は8%増の24万5000台で、同じく過去最高。減税効果のあった小型車「マツダ3(日本名アクセラ)」、SUV(多目的スポーツ車)「CX―4」などが好調だった。一方、米国は5%減の22万台だった。

青山裕大常務執行役員は会見で、中国市場では減税措置終了後もSUV系車種を含めて成長が期待できるとし、「来期も今期並みの販売台数を期待したい」と述べた。

会見した藤本哲也常務執行役員は、米国市場では「特にセダン系のインセンティブが厳しく、台数も伸び悩むという現実に直面している」と指摘した。SUV「CX―5」などは好調で、CX系の販売比率を高めているが、「CX系シフトによる改善効果がセダン系の悪化に追いついていない」と語り、来期以降は販売網改革とSUV系で反転攻勢をかける意向を示した。

通期の純利益予想は前期比6.6%増の1000億円と従来のまま維持した。営業利益予想も従来通りの19.3%増の1500億円。トムソン・ロイターが算出したアナリスト20人の予測平均値は1547億円となっている。

*内容を追加しました。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国産業相が再び訪米、関税協定の最終合意へ詰めの協

ワールド

北のミサイル発射、「日本も把握」と高市首相 EEZ

ビジネス

米TI、第4四半期見通しは予想下回る 関税影響で需

ワールド

米国大豆、中国向け新規販売契約なし 農家経営破綻の
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない「パイオニア精神」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    増える熟年離婚、「浮気や金銭トラブルが原因」では…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中