ニュース速報

信頼関係の回復なければ政策対話の再開は困難=対韓輸出管理で経産省

2019年07月19日(金)18時53分

[東京 19日 ロイター] - 経済産業省は19日、韓国向け半導体材料の輸出管理強化を巡り、韓国産業通商資源部が日本に再協議に応じるよう求めたことについて、信頼関係の回復が必要であり、状況が改善されない限り、政策対話を再開するのは難しいとの認識を示した。

貿易経済協力局の岩松潤・貿易管理課長は19日夕の会見で「安全保障輸出管理について機微な情報も含めた日韓のやり取りが、事前合意なく公開された」と指摘。「状況が改善されない限り、信頼関係に基づいた政策対話の開催は難しい」と強調した。事務方によるメールのやりとりは続けるという。

今回の輸出管理強化については「国際合意に基づいた輸出管理の不断の見直しの一環」だとして、「優遇措置をやめて通常の輸出管理上の扱いに戻す内容で、禁輸措置ではない」との見解を繰り返した。

韓国の輸出規制管理体制について、韓国側は110人の人員を配置していると説明し、不十分でないと強調しているが、経産省は、軍事転用可能な民生品の審査に携わる職員数は11人に過ぎないと反論した。

韓国産業通商資源部は19日 、日本政府が貿易規制上の優遇措置対象である「ホワイト国」リストから韓国を外す計画について、「明確な証拠と事実」に基づく措置であるべきだと強調し、「このような動きが両国経済だけでなく世界的なサプライチェーンに重大な影響を及ぼすとの大きな懸念がある」と指摘していた。これに対して経産省は「サプライチェーンに問題を与えることはない」(岩松貿易管理課長)と反論した。

(竹本能文 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ホンダがAstemoを子会社化、1523億円で日立

ビジネス

独ZEW景気期待指数、12月は45.8に上昇 予想

ワールド

トランプ氏がBBC提訴、議会襲撃前の演説編集巡り巨

ビジネス

英総合PMI、12月速報は52.1に上昇 予算案で
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中