ニュース速報

英銀行、合意なき離脱と貿易摩擦に耐え得る資本ある=中銀

2019年07月12日(金)02時47分

[ロンドン 11日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)の金融行政委員会は11日、国内銀行について、英国の合意なき欧州連合(EU)離脱と世界的な貿易摩擦の双方に対応できるだけの十分な資本があるとの見方を示した。

半期に1度の金融リスク評価で見解を示した。

流動性の低い投資ファンド、流動性ショック、仮想通貨、環境を巡るリスクへの監視を強化する方針も確認した。カーニー総裁も記者会見で、これらの要素を英国の銀行システムに対するリスクとして挙げ、懸念に対する認識を示した。

総裁は、銀行はEU離脱(ブレグジット)に対し周到に準備を整えているが、このことは英国が10月31日に条件などで合意しないままEUを離脱した場合、英経済が無傷でいられることを示しているわけではないと指摘。「金融安定は市場安定と同義ではない。無秩序なブレグジットが現実のものとなった場合、広範な英資産に対する大きな調整が入り、英国の家計と企業の金融情勢はひっ迫すると予想される」と述べた。

金融行政委員会は「人々が想定する合意なき離脱のリスクが年初から高まっている」とした上で、「英国の銀行システムは引き続き力強く、EU離脱に伴いかねない国内経済・金融面の様々なショックの下でも融資を継続できる」と表明。

また「金融の安定と市場の安定は同一のものではない。秩序ない離脱となった場合は、相当なボラティリティーと資産価格の変動が予想される」とも指摘した。

同委員会は、米中貿易摩擦が国際金融のリスクを高める要因になっているとも指摘。特に米国や大陸欧州などで多額の債務を抱える企業が増えているとの見方を示した。

また、商業用不動産など売却が難しい資産を保有している投資ファンドに対し、投資家からの解約受付期間の長期化を義務づけるべきか、英金融行動監視機構(FCA)と協力して検討する方針も示した。

英国では、著名投資家ニール・ウッドフォード氏の運用するファンドが顧客からの解約請求に対応できず、新たな解約の受け付けを停止する問題が起きている。

同委員会は、新たな決済手段として利用されている「トークン」などの資産がもたらすリスクを調査する方針も示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ホワイトハウス、人種差別的な動画投稿を削除 オバ

ビジネス

ジェファーソンFRB副議長、26年見通し「慎重なが

ビジネス

SF連銀総裁「米経済は不安定」、雇用情勢の急変リス

ワールド

12年のリビア米領事館襲撃の容疑者を逮捕=司法長官
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中