ニュース速報

中国ファーウェイ狙い撃ち、米政権が排除措置を相次ぎ発表

2019年05月16日(木)14時27分

[ワシントン 15日 ロイター] - トランプ米政権は15日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]が米政府の許可なく米国の重要な技術を購入することを禁止するとともに、国家安全保障を理由に米国の通信ネットワークから同社の製品を事実上排除する措置を発表した。

ファーウェイは部品調達を米国のサプライヤーに頼っているため、今回の2つの措置によって多くの製品の販売を継続することが難しくなる可能性がある。

米国は現在、中国と関税強化の応酬を繰り広げており、今回の発表は米中関係にとって微妙なタイミングとなった。

米政府はファーウェイ製の携帯電話や通信機器が中国政府によるスパイ行為に利用されると懸念している。

ファーウェイは声明を発表し、「当社の米国での事業を制限する措置は米国をより安全で強い国にはしない。むしろ、米国はより高額ながら質の劣る製品しか使用できず、次世代通信規格『5G』整備で後れをとるだろう」と指摘。さらに「非合理的な規制はファーウェイの権利を侵害するものであり、他の深刻な法的問題を提起する」とした。

ファーウェイへの措置は、クアルコムやブロードコムなど同社の主要な米サプライヤーの株価に影響する可能性がある。

トランプ米大統領はこの日、国家安全保障上にリスクをもたらす企業の通信機器を国内企業が使用することを禁止する大統領令に署名した。

大統領令は、非常事態を宣言して商取引を規制する権限を大統領に与える国際緊急経済権限法を発動するもの。発令を受け、商務省は他の政府機関と協力し、150日以内に実施計画を取りまとめる。

ロス商務長官は、大統領令の発令は米国の情報通信技術やサービスの供給網を「外国の敵対勢力」から守ることを目的としていると説明。「トランプ大統領の指導力の下で、米国のデータとインフラが安全であると国民は信頼できるようになる」と述べた。

米議会の議員らは大統領令について、中国の情報収集活動に利用される可能性を米情報当局が指摘しているファーウェイのような企業をまさに標的にしていると強調。

共和党のベン・サス上院議員は「中国の主要輸出品目はスパイ行為で、中国共産党とファーウェイのような中国『民間』企業との区別は想像の上でしか存在しない」と皮肉った。

ロイターは14日に、トランプ大統領が今週中に同大統領令に署名する見通しと報じていた。特定の国や企業を名指ししていないが、米当局者らはこれまでにファーウェイが「脅威」であるとの認識を示しており、同盟諸国に対し、5G網に同社製の機器を使用しないよう呼び掛けてきた。

ホワイトハウスによる大統領令発表後間もなく、米商務省は、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」にファーウェイと関連70社を追加すると発表した。措置は数日中に実施される。

米当局者によると、ファーウェイは部品調達を米国のサプライヤーに頼っているため、一部製品を販売することも難しくなるという。

ロス商務長官は声明で「外国企業が米国の安全保障や外交政策上の利益を損ないかねない形で米国の技術を利用することを阻止」する決定をトランプ大統領が支持したと明らかにした。

今後、米企業が米輸出管理規制の対象をファーウェイに提供するためには、米政府にライセンスを申請することが必要になる。米商務省の元輸出管理担当者はこのライセンスについて、米国の安全保障に有害とならないことを示す必要があり、取得は困難だとの見方を示した。

商務省は今回の決定について、米司法省が開示したファーウェイと一部関連企業に関する起訴状を受けたものと説明。ファーウェイが「米国の安全保障や外交政策上の利益に反する活動に関与した」と結論付ける正当な根拠があるとした。

米司法省は1月、ファーウェイと同社の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)が、イランで事業を展開する企業とファーウェイの関係を巡って金融機関を欺いたとする起訴状を明らかにしていた。孟氏は18年12月、米国の要請を受けてカナダで逮捕された。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ビジネス

日経平均は続伸スタート、米国株高を受け好地合いを引

ビジネス

中・長期的な成長目標の達成可能=ゴールドマン・サッ

ビジネス

JPモルガン、第2四半期の市場部門は50%以上の増

ワールド

米の新型コロナ死者10万人突破、一日平均では鈍化傾

MAGAZINE

特集:コロナ不況に勝つ最新ミクロ経済学

2020-6・ 2号(5/26発売)

意思決定の深層心理から人間の経済行動を読み解く── コロナ不況を生き残るため最新の経済学を活用せよ

人気ランキング

  • 1

    「イギリスが香港のために立ち上がらないことこそ危機だ」パッテン元総督

  • 2

    東京都、新型コロナウイルス新規感染11人 2日連続で2桁に

  • 3

    新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている

  • 4

    「9月入学」は教育グローバル化のチャンス そもそ…

  • 5

    経済再開が早過ぎた?パーティーに湧くアメリカ

  • 6

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がア…

  • 7

    新型コロナウイルスをめぐる各国の最新状況まとめ(2…

  • 8

    「検査と隔離」もウイルス第2波は止められない 米専…

  • 9

    コロナ禍で予想外なほどルール遵守のイギリス人に驚き

  • 10

    ノーベル賞受賞者が異を唱える──政府は、疫学者の予…

  • 1

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 背景には韓国の国民性も?

  • 2

    東京都、新型コロナウイルス新規感染14人に急増 緊急事態宣言解除の目安、3項目中2項目が基準下回る

  • 3

    「イギリスが香港のために立ち上がらないことこそ危機だ」パッテン元総督

  • 4

    カナダで「童貞テロ」を初訴追──過激化した非モテ男…

  • 5

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がア…

  • 6

    日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいってい…

  • 7

    新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている

  • 8

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言し…

  • 9

    新型コロナよりはるかに厄介なブラジル大統領

  • 10

    コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当…

  • 1

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

  • 2

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること

  • 3

    金正恩「死んだふり」の裏で進んでいた秘密作戦

  • 4

    スズメバチが生きたままカマキリに食べられる動画が…

  • 5

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 …

  • 6

    優等生シンガポールの感染者数が「東南アジア最悪」…

  • 7

    コロナ禍で露呈した「意識低い系」日本人

  • 8

    日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいってい…

  • 9

    コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当…

  • 10

    ロックダウンは必要なかった? 「外出禁止は感染抑…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!