ニュース速報

米中通商協議、1日目終了 米は制裁関税発動へ

2019年05月10日(金)12時47分

[ワシントン 9日 ロイター] - 米国と中国は9日、ワシントンで行われている貿易問題を巡る閣僚級協議の1日目を終了した。米国が中国からの輸入製品への関税引き上げを準備する中、協議の行方に注目が集まっている。

中国の劉鶴副首相はこの日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン財務長官と約90分会談。

ホワイトハウスの報道官によると、ライトハイザー、ムニューシンの両氏と劉鶴副首相は、10日午前に通商協議を継続することで合意した。

米政府は米東部時間10日午前0時1分(日本時間同午後1時1分)に、中国からの2000億ドル相当の輸入品に対する関税を10%から25%に引き上げるとしている。

携帯電話やコンピューター、衣類、おもちゃなどの消費財が特に打撃を受ける見込み。

トランプ米大統領は9日、新たに3250億ドル相当の中国製品に追加関税を発動する手続きを始めたことを明らかにした。

トランプ氏は、中国が数カ月に及ぶ交渉で示してきた約束を破っていると批判。ホワイトハウスのイベントで「合意に非常に近づいていたが、中国側が交渉のやり直しを始めた。それはできない」と述べた。

米株式市場は通商交渉への警戒感から下落して終了した。ただ、中国の習近平国家主席から「美しい」書簡を受け取ったとトランプ氏が述べると、下げを縮小した。米原油先物価格は下落。米国債利回りは安全資産への資金シフトから低下した。

米商務省が9日発表した3月の貿易赤字は前月比1.5%増の500億200万ドルだった。トランプ氏が掲げる「米国第一主義」政策の中心的な課題である対中貿易赤字は16.2%減の207億4900万ドルと、2014年3月以来の低水準になった。

中国商務省は9日、米国との貿易戦争において自国の利益を守る用意が十分にあると表明。その上で、米国が一方的な措置でなく対話を通じて問題を解決することを期待するとした。同省の高峰報道官は記者団に対し、中国には国益を守る決意と能力があるが、米国が歩み寄ることを期待すると述べた。

関係筋が明らかにしたところによると、中国が合意文書案の文言を大幅に変更し、米国がそれを拒否することを踏まえると、文言修正には1カ月かかる可能性がある。ただ、協議は数日間続く可能性があるという。

中国が交渉を長引かせるためにある程度譲歩することや、交渉が決裂することもあり得る。また、中国が、合意文書案の大幅修正を撤回し、6月に日本で行われる20カ国・地域(G20)首脳会議までの合意を目指して残る課題に取り組むことも考えられる。

*内容を追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、1月は1年ぶり節目超え 受

ワールド

米、インド関税18%に引き下げへ インドはロシア産

ビジネス

商品市場が急落、次期FRB議長指名受けたドル高が圧

ビジネス

次期FRB議長、FOMC説得に「難しい舵取り」=ア
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 2
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 5
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 6
    エプスタイン文書追加公開...ラトニック商務長官、ケ…
  • 7
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 10
    共和党の牙城が崩れた? テキサス州で民主党が数十…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中