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英中銀、ブレグジット不安などで成長率予想引き下げ 政策金利据え置き
[ロンドン 7日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は7日、政策金利を0.75%で据え置くことを全会一致で決定した。国債買い入れ枠も4350億ポンドに据え置いた。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る不確実性や世界的な景気減速を踏まえ、2019年の英国の経済成長率予想を10年ぶりの低水準に下方修正した。
英中銀は「英経済成長は2018年終盤に減速し、2019年に入ってからさらに減速したとみられる」とし「この減速は、国外の経済活動の鈍化やブレグジットを巡る不確実性の影響拡大を主に反映している」と述べた。
カーニー総裁は「ブレグジットの霧が経済指標の短期的な変動に加え、より根本的には経済の緊張や企業に対する緊張を引き起こしている。多くの企業は緊急時の対応策を強化しているが、経済全体としてはまだ合意や移行なき離脱への備えはできていない」と語った。
英国は3月29日にEUを離脱することになっているが、政府の離脱合意案は議会で否決され、メイ首相はEUからさらなる譲歩を得ようとしている。
英中銀は、ブレグジットの最悪のシナリオとして、合意なくEUを離脱すれば、英経済は世界金融危機以上の打撃を被る可能性があると指摘していた。
7日発表したインフレ報告で、英中銀は、2019年の成長率予想を昨年11月の1.7%から1.2%に引き下げた。引き下げ幅は、2016年の国民投票直後以来最大で、1.2%は世界金融危機以降で最低となる。
今年は企業投資や住宅建設が減少すると予想するとともに、世界経済の減速を踏まえて輸出の伸び率予想も半分に下方修正した。
2020年の成長率予想も1.7%から1.5%に引き下げた。21年は1.9%に回復すると予想した。
英中銀は、市場が2021年末までに政策金利が1.1%に上昇すると織り込んでいると指摘。昨年11月の1.4%から低下した。
しかし、2年後のインフレ率について、中銀の目標である2%をわずかに上回る2.1%と予想し、市場の想定よりも金利が上昇する可能性を示唆した。
インフレ率は原油安で向こう数カ月は目標を下回るものの、1年後には目標を超えると予想。英中銀が基調的なインフレ圧力が高まるとみる根拠は、記録的な低失業率を受けた賃金の上昇だ。
今回、賃金に関する予想は前回と概ね変化はなかった。
INGのエコノミスト、ジェームズ・スミス氏は「中銀が短期的に一段とハト派に傾いていることは明らか。依然として利上げは好ましいと微妙にほのめかしてはいるものの、すべてはブレグジット次第だ」と指摘した。
JPモルガンのエコノミスト、アラン・モンクス氏は「今後数カ月間利上げはないとの中銀の明確なメッセージが読み取れる」とした上で、利上げは当初の見立てである5月から8月以降にずれ込むと予想した。
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