ニュース速報

FRBは柔軟に対応、下振れリスクに敏感 パウエル氏「議長辞めない」

2019年01月05日(土)05時17分

[アトランタ 4日 ロイター] - パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、FRBは忍耐強く臨むとともに、経済の勢いが堅調であっても市場が織り込む下振れリスクに対して敏感であるとの認識を示した。また将来の利上げやバランスシート縮小を巡って柔軟に対応すると明言。世界経済の減速から貿易戦争に至るまであらゆるリスクを考慮しつつ、好調な経済統計との均衡を図る考えを明らかにした。

パウエル氏はイエレン、バーナンキ両元議長との討論会で「とりわけインフレ指標がこれまで落ち着いている中で、われわれは経済動向を注視しつつ、忍耐強く当たる」とした上で、利上げは既定路線ではないと強調。必要に応じて「常に政策スタンスを大幅に変更する用意がある」と述べ、2016年当時と同様、金融引き締めの停止もあり得るとの考えを示唆した。

またこうした「柔軟性」はバランスシートの縮小にも該当すると明言。FRBが保有する債券の安定した圧縮が市場に甚大な影響を与えるとは考えにくいものの、それが最大雇用と物価安定を巡るFRBの二重責務遂行に支障をきたすようであれば方針を変更すると表明した。議長は先月、バランスシート縮小は「自動操縦」と述べ、市場で物議を醸したが、今回の発言は「特に趣旨が変わったわけではなく、議長なりに根気よく細部にわたり丁寧に説明したもの」(DRWトレーディング)とみられる。

さらに議長は「市場は下振れリスクを織り込みつつあるが、けさ発表された雇用統計を見れば市場がかなり先読みしていることは明白だ」と指摘し、「われわれは市場のメッセージに注意深く敏感に耳を傾け、政策運営に当たり下振れリスクを考慮するということを申し上げたい」と語った。

昨年12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が31万2000人増と10カ月ぶりの大幅な伸びを記録した。時間当たり賃金も前月比0.4%増と、前月の0.2%増から伸びが加速。労働参加率は17年9月以来の水準に上昇した。パウエル氏は雇用統計を「非常に強い」とし、統計は新年にかけ十分な勢いを保っているようだとした。

金利先物はこの日、今年1回の利上げ確率を小幅ながら織り込む動きとなった。議長発言前はまったく織り込んでいなかった。

パウエル氏は自身の仕事ぶりについて、政府と直接やり取りしたことはないが、仮にトランプ大統領から辞任を求められても辞めるつもりはないと明言。トランプ氏と会談する予定はないとした。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、イラン「一夜にして壊滅」も 7日までの

ワールド

ガザ学校近くで空爆、死者10人超 パレスチナ人避難

ビジネス

米3月ISM非製造業指数、54.0に低下 投入価格

ワールド

訂正米、ホルムズ海峡再開で最後通牒 イランは停戦提
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 5
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプ…
  • 10
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中