<ニュージーランドで3年以上にわたりホームレスを撮り続けているジョン・クロフォード(66歳)。もともとコマーシャル(商業写真)、コーポレイト(企業写真)の写真家で、インスタグラムが彼の作品に光を当てた>
写真を含めたアートコミュニティにはかなりの偏見と差別がある。意図的ではないにしても欧米中心になっている。中国や日本のアーティストがもてはやされることがあっても、それは一部あるいは一過性のことがほとんどだ。
そんなか、ここ数年のインスタグラムの台頭は確実に大きな影響を与え始めている。このブログで何度か紹介したようにイランの写真家たちが大きなボリュームを持って注目され始めている(例えば「なぜイランには自分自身を撮る写真家が多いのか」や「24歳イラン人写真家のストールン・モーメント」など)し、今回紹介するニュージーランドの写真家もその表れだ。
写真が大きな趣味であった脳外科医の父親のもとで、8歳の時から暗室作業にも親しんでいたというジョン・クロフォードその人である。オークランド在住の66歳の大ベテランで、社会に出てからは、コマーシャル(商業写真)、コーポレイト(企業写真)の写真家をバックグラウンドとしてきた。
彼のインスタグラム・ギャラリーでの作品は、大半が白黒写真だ。すべてiPhone で、Hipstamatic(ヒップスタマティック)というアプリを使って撮影されている。フィルム時代にあった「ダイアナ」というプラスチック製のトイカメラを気に入っていたこともあって、それと似た雰囲気をつくり出してくれるからだという。またその正方形のフォーマットも、より開放的だから非常に気に入っていると語った。
とはいえ、彼の作品において大きな魅力を発している社会派的なポートレイトは、ヒップスタマティックのデジタルレンズやデジタルフィルムの特質を効果的に使っているだけではない。被写体に対する距離感、構図、そして"決定的瞬間"もしっかりと把握したものだ。