為替介入はここ5年実施されてはないものの、円高が進む間、それを抑制するべく日本の当局者から公式声明として persistent(執拗に)、為替の動きは rough(荒っぽい)、will take firm action if necessary(必要なら断固たる行動を取る) があったと指摘。実際の介入はなくとも実質的には口先介入ではないのかとの含意と読み取れますので、為替介入を牽制しているとする国内報道に繋がっているのでしょう。

 また、一部報道では、the dollar‐yen foreign exchange market has been functioning smoothly(円相場の動きは円滑に機能) の部分を取り上げ、これまであった「秩序的(orderly)」との文言がなかったことに着目しているようです。「秩序的」がなくなり「無秩序」な動きであれば為替介入が認められるのではないか、日米当局間でのやりとりの経緯を踏まえた上で日本側への配慮も感じられるといった指摘もあるようですが、為替介入を求める一部の国内勢に答えるためなのか、半ば苦し紛れの解説と言わざるをえません。

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 今年前半の為替の動きに関して米財務省は、円は大きく通貨高(ドル安)に振れた一方、中国元は減価(ドル高)、英ポンドもEU離脱を機に大幅減価(ドル高)と振り返った上で、短期的かつ急激な変動時期を経てもなお、総じてみればドル高ドル安は各国通貨の動きによって相殺されるために、米ドル自体の動きは「秩序的(orderly)」と総括しています。現状では日本側言い分だけで円高阻止のためのドル買い介入に理解を得るのは難しいでしょうし、1年半前に102円が適正水準と指摘した通り、現在のところはドル円レートの中期的な落ち着きどころと言えるでしょう。そもそも、3ストライクとなる3項目にまでわざわざ足を踏み込むような行動は日本側も取りにくいはずです。つまり、1ドル100円水準まで来たのだからさすがに行き過ぎで為替介入をと期待するのは適当ではなく、米財務省は現状水準に問題なしとの見立てに変わりなし、同意を得られない中で日本が強硬に為替介入を実施するなら、その後の経済制裁などを含めたリスクを伴うため、相当高いハードルであるといえるでしょう。

 なお、余談でありテクニカルな話ではありますが、相場に絶対がない以上、ここ数年で円安に20円オーバーシュートした以上、円高が20円進む可能性が全くないとは言い切れないわけです。可能性としては限りなく低いとは思いますが、例えば目先に迫った大統領選などの結果次第ではひと波乱もふた波乱もありうることだけは、念のため、用心しておくにこしたことはないはずです。