[東京 19日 ロイター] - 日銀は18─19日の金融政策決定会合で、年間80兆円の国債買い入れを柱とする「量的・質的緩和(QQE)」政策の現状維持を賛成多数(木内登英委員が反対)で決めた。年14回の決定会合を2016年1月から年8回に減らすなど政策運営の見直した。
記者会見で黒田東彦総裁は10日の国会での為替発言について釈明、円安けん制の意図を否定し、必要ならば追加緩和を辞さない姿勢を改めて示した。
景気の総括判断は「緩やかな回復を続けている」との文言を据え置いた。項目別では住宅投資のみ「持ち直しつつある」とし上方修正した。
景気や物価の見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の公表を年2回から4回に増やし、現在の4月と10月に加え、1月と7月にも公表する。決定会合は、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と同じ頻度になる。
会合の議論の概要を公表している議事要旨に先立ち、政策委員から出た主な発言を会合の1週間後に公表する新機軸も打ち出した。
黒田総裁は会見で、市場で円安けん制と受け止められた10日の衆院財務金融委員会での「実質実効レートではここからさらに円安はありそうにない」との発言について、「足元や先行きの名目為替レートについて述べたわけではない」と改めて釈明した。
一方、「どんどん円高や円安になればよいものでない」「為替はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映し、安定的に推移することが望ましい」と繰り返し、「急激な変動は望ましくない」との見解をあらためて示した。
また「金融政策は物価の安定を目指したものであり、為替を目標にしていない」との公式見解を強調。「為替は物価に影響するので注視するが特定の水準やスピードを考えて政策運営することでは全くない」とし、為替と関係なく必要であれば追加緩和に踏み切る姿勢を示した。
その上で「今の時点で円安になれば日本経済にマイナスということもできない」とも述べた。
市場関係者の間では、「米国の金利上昇に沿った形でのドル高/円安であれば、それを容認する可能性を示唆する」(野村証券チーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏)との声が聞かれた。
また「意外感のある発言はない」「日銀は4月に2%の達成時期を2016年度前半に後ずれしているので、すぐに追加緩和ということにはならない」(みずほ証券チーフマーケットエコノミスト、上野泰也氏)との見方もあった。
*内容を追加し再構成しました。
(竹本能文 伊藤純夫 編集:野村宏之)