<約10年ぶりに新アルバムをリリースするマーズが同世代のスターとは違うスタイルで売れ続ける理由>


▼目次
際立つ「生産性の低さ」
時代が求める軽やかさ

ミレニアル世代のポップスターについて、1つ言えることがある。彼らはとても息が長い。ベビーブーマー世代よりも長く、Z世代について予測するには早すぎるが、少なくともX世代よりは確実に長きにわたって活躍している。

イーグルス、フリートウッド・マック、ピンク・フロイドといったブーマー世代のバンドは何十年もアリーナを回り続けたが、彼らがヒット曲を生み出した期間は実はとても短い。新曲を確実にラジオやチャートに送り込めていたのは、いずれも1970~80年代にかけての10年ちょっと。その後、これらのブーマー世代バンドは同じ楽曲を何十年もツアーで演奏し続けた。

アルバムに先行して今年1月にリリースしたブルーノ・マーズの新曲「I Just Might」♪

一方、ミレニアル世代のメガスターはどうか。ラジオからもチャートからも、一向に消えていかない。80年代生まれで2000年代にブレイクした彼らは、既に15~20年近くヒットを生み出しながらも、衰える兆しが全くないのだ。

81年生まれのビヨンセは、ソロとしてビルボードのヒットチャート「ホット100」で1位を獲得し続けて20年以上になる。86年生まれのレディー・ガガは、デビューから18年がたつ今も「Die With A Smile」といった新しい曲でアリーナを満員にしている。同じく86年生まれのドレイクは、ケンドリック・ラマーとの確執後に失速したものの、初めてホット100のトップテン入りした「Best I Ever Had」から17年の時を経て、昨年「NOKIA」で再び勝者の側に戻ってきた。

89年生まれのテイラー・スウィフトが昨年発表した「The Fate of Ophelia」は、自身にとって最も長期にわたってチャート首位を維持したが、これはデビューから実に20年たってからのことだった。

こうしたミレニアル世代の成功者リストに、85年生まれのピーター・ジーン・ヘルナンデス──またの名をブルーノ・マーズ──を加えよう。彼のヒットメーカーとしてのキャリアは、10年にラッパーB.o.B.の「Nothin’ on You」にボーカルとして参加し、同年後半にソロデビュー曲の「Just The Way You Are」をヒットさせてから、15年以上に及ぶ。

ブルーノ・マーズ「Just The Way You Are」(2010年)
際立つ「生産性の高さ」