自身の副大統領候補も好きなように選べる。現時点で最も有力なのは、バンスとルビオのコンビだ。しかもバンスに近い筋によれば、バンスとルビオは真の友情を築いているらしい。国務省のトミー・ピゴット首席副報道官も本誌に、「バンス副大統領とルビオ国務長官は素晴らしい関係を築いている」とのコメントを送ってきた。

だが実を言うと、MAGA派の間には今もバンスに対する根強い警戒心がある。

本当はどんな人物なのか

今でこそバンスはトランプの腹心に徹しているが、過去にはトランプを批判していた。トランプ支持層には、今もそのことを根に持つ人たちがいて、筆者の取材に応じた複数の共和党運動員によれば、そうした層の信頼を勝ち得るのは難しそうだ。

16年の大統領選当時、バンスは「ネバー・トランプ派」を自称し、公然とトランプを批判していた。トランプは「アメリカの(アドルフ・)ヒトラー」になりかねないとの懸念を側近に漏らしたこともある。

バンスは後にこの発言を撤回している。それでも、かつてトランプ陣営の選挙運動に加わっていた人物の1人は、「バンスはトランプをヒトラー呼ばわりし、ひどい人間だと言った」と指摘し、「そんな男に、今さら心変わりしたと言われても、にわかには信じ難い」と続けた。

イエスマンであることが最適と気づいている