巧妙な戦略だが、そうした好戦的な姿勢が物議を醸すこともある。

25年10月には右派のネット番組に出演し、共和党の若手スタッフの間で人種差別や反ユダヤ主義のメッセージが飛び交っているとの報道を一蹴し、単なる「きつい冗談」だと言ってのけた。

9月にトランプが民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務(黒人)のAIフェイク動画を自身のSNSに投稿した際も同様だった。それはジェフリーズの動画にソンブレロ(つばの広い帽子)とつけひげを加えたもので、卑劣な人種差別だとする非難の声が上がった。しかしバンスはホワイトハウスでの会見で、「あれは大統領の冗談で、みんな楽しんだ」と述べ、「ちょっとからかった」だけだと続けた。

別の2人の事情通によれば、バンスは昨年、副大統領候補としての身辺調査を受けていた際に、副大統領職が自身の家族に与える影響について懸念を漏らしていた。彼には妻ウシャとの間に10歳未満の子が3人いるからだ。

ただし選挙戦が終わって副大統領に就任してからは、一度も家族問題を口にしていないそうだ。そのせいもあって、バンスの周辺では既に、彼が次期大統領選に出馬する覚悟を決めたと目されている。

次期大統領になれるかはわからないが、アドバンテージは大きい