<殺された米兵の報復とさらなる攻撃の抑止、という理屈で暗殺を決行したアメリカだが、イスラエルのガザ侵攻支持でイスラム世界に高まっていた反米意識を甘く見た可能性がある>

イラクの首都バグダッドで、イランの支援を受けたイスラム教シーア派武装組織「カタイブ・ヒズボラ(神の党旅団)」の幹部少なくとも2人が米軍の攻撃で死亡した。イスラエルとガザを実効支配するハマスとの戦闘が続き、中東情勢が緊迫するなかでの攻撃だ。

 

米中央軍は2月7日、「ヨルダンでの米軍兵士3人の殺害に対する報復として、イラクにおいて標的の攻撃を行い、この地域の駐留米軍に対する攻撃を直接的に計画・参加したカタイブ・ヒズボラの上級指揮官を殺害した」と発表した。

「現時点では付随する損害や民間人の死傷者が出たことを示唆する証拠は一切ない」と、米中央軍は断定した。「アメリカは自国の国民を守るために今後も必要な措置を取る。どのような勢力であれ、米軍部隊の安全を脅かせば、躊躇なく責任を負わせる」

ヨルダンやイスラエルへの報復も示唆

カタイブ・ヒズボラ系メディアは、バグダッドで起きたドローン(無人機)とみられる攻撃で、上級司令官のアブ・バキール・アルサーディと情報工作員のアルカン・アルアリアウィが死亡したと伝えた。これを受け、カタイブ・ヒズボラの代表は、自分たちはイラク国外の標的を狙える兵器を持ち、隣国ヨルダンはもちろん、イスラエルの地中海沿岸地域や、同じくカリシュ天然ガス田も攻撃できると豪語した。

「(イラク西部の)アル・アサド空軍基地から発射されたわれわれのドローンとミサイルは、ヨルダン、(イスラエルの)ハイファ、カリシュまで到達した。われわれはその気になれば、いつでも、どこでも攻撃できる」

イラクのもう1つの主要なシーア派組織「ヌジャバ運動」(別名ヒズボラ・アルヌジャバ)も、米軍の攻撃はイラクの主権を脅かす暴挙だとして、報復攻撃も辞さない姿勢を示した。死亡したアルサーディはイラク政府と協力して治安維持を担う民兵組織「人民動員隊」の上級司令官でもあり、カタイブ・ヒズボラとヌジャバ運動はいずれもこの組織に加入している。

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イラク政府にも危険信号
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