そう考えると、今回の件でオープンAIの多くの幹部や社員がアルトマンを支持し続けていることも、アルトマンが去ると踏んで後釜に座ろうとする人がマスクをはじめほとんど出てこないことも不思議ではない。

実のところ、アルトマンは効果的利他主義の考え方に全く共感していないわけではない。実際、強力なAIに対する責任を繰り返し語っている。そして、利他主義のアプローチに影響を与えてきた合理主義と、人類滅亡のようなはるか遠い将来のリスクを軸にAI開発を考える「長期主義」の哲学的思索に、彼もまた大きな影響を受けている。

しかし、アルトマンは自分こそがAIの未来を導くのにふさわしい執事であり、誰にもその邪魔をさせるつもりはないと決意している。しかも、今やAI界を代表する顔になったのだ。そこに効果的利他主義の顔は見えない。

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