そう考えると、今回の件でオープンAIの多くの幹部や社員がアルトマンを支持し続けていることも、アルトマンが去ると踏んで後釜に座ろうとする人がマスクをはじめほとんど出てこないことも不思議ではない。

実のところ、アルトマンは効果的利他主義の考え方に全く共感していないわけではない。実際、強力なAIに対する責任を繰り返し語っている。そして、利他主義のアプローチに影響を与えてきた合理主義と、人類滅亡のようなはるか遠い将来のリスクを軸にAI開発を考える「長期主義」の哲学的思索に、彼もまた大きな影響を受けている。

しかし、アルトマンは自分こそがAIの未来を導くのにふさわしい執事であり、誰にもその邪魔をさせるつもりはないと決意している。しかも、今やAI界を代表する顔になったのだ。そこに効果的利他主義の顔は見えない。

©2023 The Slate Group

メールアドレスのみの無料会員登録で限定記事が読める。広告も少なく、ニューズウィーク日本版をもっと快適に
メールアドレスのみの無料会員登録で限定記事が読める。広告も少なく、ニューズウィーク日本版をもっと快適に
【関連記事】
ニューズウィーク日本版 ニュースが分かる 国際情勢バズワード50
2026年9月22日/29号(9月15日発売)は「ニュースが分かる 国際情勢BUZZワード50」特集。

トランプ思想・世界経済・安全保障の新常識。今盛んに使われるキーワード50を徹底解説

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます