<両親がいる世帯を前提とした日本の育児の諸制度はもう限界を迎えている>

先週掲載した記事で、東京の子育て世帯の4割が年収1000万以上であることを明らかにした。生活費や教育費が上がるなか、結婚・出産は自然なライフイベントではなくなりつつある。子を産んで育てることの経済的ハードルは、一昔前と比べて上がっている。

先週の記事は夫婦と子の世帯のデータによるものだが、最近では一人親世帯も増えている。離婚率が高い都市部は特にそうで、東京では6~17歳の8人に1人が1人親世帯で暮らしている(『国勢調査』2020年)。

よく言われることだが、一人親世帯(多くが母子世帯)の生活はとりわけ苦しい。年収を二人親世帯と比べると愕然とする。東京都内23区のデータで、夫婦と子の世帯と母子世帯の年収分布をグラフにすると<図1>のようになる。

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分布の違いが一目瞭然だ。二人親世帯では年収1000万以上が突き抜けて多く、全体の半分を占めている。しかし一人親世帯は分布が下の方にかたより、最も多いのは200万円台だ。中央値(median)を出すと2人親世帯が1000万円、1人親世帯が250万円と4倍もの差がある。

子育て世帯全体の年収が上がるなか、一人親世帯は低いままに留め置かれている。子育て世帯の中での格差という問題に注意しなければならない。大都市圏においては特にそうだ。

年収レベルが高い東京では、一人親世帯の劣勢が際立つ。周囲が習い事だ、海外旅行だなどと言うなか、自分はそれを我慢しなければならない。会話にも交りにくい。一人親世帯の子が抱く「相対的剥奪感」は相当なものだろう。

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