こうした取り組みを中心に、社員の経験になるようなことを先行投資としてやってきています。それが本が売れることと相関があるのかと言われると、関係がないかもしれない。でも、そんなことを考えなくてもいいんですよ。刺激になる経験をすることで、何かが開くかもしれない。開かなければ、社員がエンジョイしてくれればいい。新しいものやおもしろいものを見ることが本人の役に立つかもしれないけど、役に立たなくてもかまわないと思っているんです。

袋小路の中で考えるのではなく、世の中にたくさんあるおもしろいものに触れて、壮大な心で挑戦してほしいですね。失敗してもかまわないから、また次の挑戦をしようと、そういう考えを私は大事にしてきたつもりです。失敗もたくさんしてきましたけどね。でも、最初は無駄に見えるようなことが、本づくりや本を広げることにつながった例もたくさんあります。

──挑戦を奨励する取り組みが実を結んでいるんですね。他の取り組みについてもぜひお聞かせください。

本然にのっとって仕事をすると結果を出しやすいという観点から、「編集者特権」というものを設定しています。先ほどお話しした『コーヒーが冷めないうちに』は、もともと演劇なのですが、たまたま舞台を見た編集者があまりにも感動して、脚本家に本にしてもらいたいと企画を出したんです。でも、当時の編集長はダメを出したんですよ。小説に強い出版社ではありませんでしたから。

ところがサンマーク出版には「編集者特権」というものがあって、社長や編集者が何と言おうと、年に1冊だけ編集者が本当に出したいと思う本が出せるという制度があるんです。それで『コーヒーが冷めないうちに』を2015年に刊行したら、これもロングセラーになって、世界に広がっている。ここからもっとすごいことが起きるかもしれないという期待がありますね。

──どの本づくりにも、熱いドラマがありますね。

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思うことから、すべては始まる

 著者:植木宣隆

 出版社:サンマーク出版

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今の悩みを、『生き方』で照らす

──時代も国も越えて愛されている『生き方』ですが、今のビジネスパーソンにおすすめするとしたらどんな読み方があるでしょうか。

人はその時々でいろんな悩みを抱えて生きていますよね。そうした自分の問題を、この本を読むことによって照らし出してみようとするなど、自分なりのテーマを持って読むことが、一つの方法になると思います。

「もうダメだというときが仕事のはじまり」