尾行に気付いたが、それでもやった

29番目の犯行では妹の車を使った。窓に派手なステッカーが貼ってあった。現場から走り去るその車を誰かが見ていたらしい。数日後、警察はうちの前に止まっている車を見つけ、私を見張り始めた。

14年2月11日。30回目の犯行を決行した。警察に後をつけられているのは分かっていたが、それでもやった。もはやクスリの奴隷だった。

今にして思えば、捕まって良かった。9年の懲役刑を言い渡されたが、模範囚として19年11月に釈放された。52歳の今、私は人生の再スタートを切ったばかりだ。

刑務所にいる間、禁断症状にのたうち回ったが、出所後もヘロインには手を出さず、既に8年薬物を断っている。

これは強盗の「武勇伝」ではない。私が伝えたいのは依存症の恐ろしさだ。オピオイド禍の魔の手はどこにでも潜んでいる。惨めな体験をあえて書いたのは、誰にでも起こり得ることだからだ。

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