Greg Torode Clare Jim
[香港 5日 ロイター] - 香港の民主化運動を象徴する存在として世界に知られる活動家、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏が5日、香港国家安全維持法(国安法)に基づき、外国勢力と結託した罪で禁錮10年の判決を受けた。
黄氏は抗議活動を担った若者の一人。一部が暴力化した2019年の大規模デモを受け、中国政府が翌年に香港に導入した広範な国安法により、こうした活動は事実上、違法とされた。
高等法院のウィリアム・タム判事は満員の法廷で判決を言い渡し、「刑罰は犯罪の重大性に見合うものでなければならない」と説明。「被告が他者と共に外国勢力や域外勢力と結託し、国家の安全を危険にさらそうとした計画や行為に対する社会の強い嫌悪を、裁判所が示すことも必要だ」と語った。
現在30歳の黄氏は、国外に亡命した活動家の羅冠聡(ネイサン・ロー)氏らと共謀し、外国や中国域外の機関、団体、個人に対し、香港政府と中国政府への制裁や封鎖、その他の敵対行為を求めたとして起訴された。
9月に罪を認めたが、香港の独立を求めたり、中国の体制転換を目指したりしたことはないと述べている。
黄氏らの裁判は、旧英国植民地の香港で国安法がどのように運用されているかを注視する国際人権団体や欧米、アジアの一部の国から強い関心を集めている。
2月には、香港で中国を最も声高に批判してきたメディア界の大物、黎智英(ジミー・ライ)氏に、外国勢力との結託や扇動の罪で禁錮20年の判決が言い渡され、国際的な批判を招いた。
法廷で黄氏は判決の前に傍聴席に向かって繰り返しうなずいた。
黄氏は減刑を求める審理で、「香港独立を主張したことは一度もなく、『中国の崩壊』や体制転換を推進したこともない」と説明。
「外国から資金を受け取ったことも、外国の政治コンサルタントを雇うために金を使ったこともない」と語った。
民主化集会の組織に関与したとして繰り返し拘束されてきた黄氏は、当時は法律の範囲内で行動していると考えていたが、後になって「間違っていた」と気付いたと述べた。
黄氏は2020年、19年の大規模デモに伴う無許可の反政府集会を扇動、組織した罪を認めた。その後、別件の国家政権転覆共謀罪でも禁錮4年8月の刑を受け、服役している。今回の事件で起訴される前は、2027年に釈放される予定だった。
中国政府は、香港を安定させるために国安法が必要だったと説明している。
黄氏は欧米などの政治家との面会を重ね、中国政府の怒りを買ってきた。同政府は黄氏を外国勢力の「黒い手」と呼んでいる。
判事によると、犯罪行為があったのは20年7月1日から11月23日までで、当時、香港の法の支配は大きな危機に直面していた。
検察側は9月の審理で、黄氏が指導者の一人を務めた政党「香港衆志」(解散)が19─20年に展開した活動を重視。これを国際的なメディア・政治工作と位置付け、香港と中国に対する制裁やその他の敵対的措置を促す狙いがあったとした。
香港衆志は一時、香港の主権に関する住民投票も支持していた。