海底に横たわる、長い年月を経て岩のような姿になった巨大な壺。表面は海中の堆積物に覆われているが、かつて人間が作り、船に積み込んだものだ。
トルコ南部の地中海で、約4400~4700年前のものとみられる沈没船の痕跡が発見された。
沈没船の痕跡が最初に確認されたのは2022年頃。当初、海底に残された陶器は比較的新しい時代のものと考えられていたが、その後の調査で約4400~4700年前のものと判明した。
2026年に本格的な発掘調査が始まり、10月14日、トルコの文化観光相が「世界最古の沈没船」として発表した。
船体を構成していた木材は長い年月の間に失われていたものの、海底には30個以上の陶器製の壺と、3つの大型の石製いかりが残されていた。
研究チームによると、船は全長約10メートルの交易船だったと考えられる。地中海東部から物資を運び、現在のトルコ北西部にあった古代都市トロイ、あるいはクレタ島に向かっていた可能性があるという。
特に研究者たちを驚かせたのが、壺の内部に残されていた物質だ。
一部の壺には粘り気のある光沢を帯びた残留物が確認された。何が入っていたのかはまだ特定されていないが、オリーブ油やワイン、樹脂などだった可能性がある。
今回の発見は、エジプトでギザの大ピラミッドが建設された時代にまでさかのぼる。
調査を率いたトルコのアクデニズ大学のハカン・オニズ教授はBBCに対し、この沈没船を海底に眠る「タイムカプセル」と表現した。
BBCが公開した映像には、海底で発見された壺や石製のいかり、潜水調査の様子、引き揚げられた遺物を慎重に調べる研究者たちの姿が収められている。