Anhata Rooprai Max A. Cherney Stephen Nellis
[3日 ロイター] - 米半導体大手AMDが3日発表した2027年の売上高見通しは、市場予想を上回った。人工知能(AI)半導体市場でエヌビディアの優位に挑む数十億ドル規模の取り組みが勢いを増す中、同社製半導体への旺盛な需要が追い風となっている。
強気の見通しは、AIインフラの大規模整備にかかる費用を巡る懸念やインテルの低調な業績見通しを不安視していた投資家に一定の安心感を与えた。AMD株は時間外取引で8%上昇した。年初来では2倍超に値上がりしている。インテル株は2%、エヌビディア株は1%超、ブロードコム株も1.2%上昇した。
AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会議で、2027年の総売上高が80%超増加するとの見通しを示した。LSEGのデータによると、アナリスト予想の増収率77%を上回る。
スー氏は27年の売上高の80%をデータセンター向け半導体が占めるとし、「売上高と利益の成長の大半をけん引する」と述べた。
「データセンター事業、CPU事業、そしてデータセンターAI事業の全般にわたって需要が見られる。こうした成長の速度やペースを見据え、われわれは過去数年にわたり準備を進めてきた」と語った。
第3・四半期のデータセンター部門売上高は97%増の85億5000万ドルと過去最高を記録し、市場予想の82億ドルを超えた。
AMDは第4・四半期の売上高を170億ドルの上下3%の範囲と予想した。LSEGがまとめたアナリストの平均予想162億3000万ドルを上回った。
ガベリ・ファンズのポートフォリオマネジャー、ヘンディ・スサント氏は、AMDの半導体製品群はAIデータセンターの大規模整備の恩恵を受ける立場にあると指摘。同氏は「AI関連銘柄が幅広く売り圧力にさらされる中でもAMD株が底堅さを保っていることは、投資家が今回の決算を同社の技術面での優位性と市場シェアを拡大し続けるための強固な地位を裏付けるものと見ていることを示唆する」と語った。
AMDは、AIを実際の業務やサービスで活用する動きを受けて画像処理半導体(GPU)や中央演算処理装置(CPU)の需要が拡大し、追い風となっている。
テクナリシス・リサーチのチーフアナリスト、ボブ・オドネル氏は「AMDの決算はAIインフラにとって待望の強い支援材料となり、程度は小さいものの、パソコン市場にとっても支援材料となる」と述べた。
調整後売上総利益率は約55%を見込み、市場予想の55.27%とおおむね一致した。第3・四半期の56%からは低下する見通し。
AMDはAI製品の投入を加速しており、単体の半導体にとどまらず、エヌビディアのラック規模のシステムに対抗する製品へと展開を広げている。
主力ラックシステム「ヘリオス」は、同社のアクセラレーター「MI455X」と新型サーバー向け半導体「ベニス」を組み合わせたもの。既に生産に入っており、第4・四半期に一段と増産する予定だ。初期のシステムはメタで試験が行われている。
AMDは2月、メタに5年間で最大600億ドル相当のAI半導体を販売することで合意した。この契約により、フェイスブックを運営するメタはAMD株式の最大10%を取得できる。
AMDの第3・四半期売上高は45%増の133億8000万ドルで、市場予想の130億9000万ドルを上回った。
調整後の1株当たり利益は2.09ドルで、市場予想の1.95ドルを上回った。
半導体業界は世界的なメモリー不足にも直面している。メーカー各社が増産を急ぐ中、AIプロセッサーに使われる高価な広帯域メモリーの供給が不足している。
パソコン向け半導体やゲーム機向けプロセッサーを手掛けるクライアント・ゲーミング部門の第3・四半期売上高は8%減の37億2000万ドルで、市場予想の37億9000万ドルを下回った。
AMDは27年のパソコン出荷台数が2桁の減少率になると予想した。ただ、スー氏は同社が「市場をアウトパフォームする」と述べた。