Timothy Gardner Pranav Mathur
[27日 ロイター] - 米電力大手コンステレーション・エナジーは27日、3州にある原子力発電所の設備増強、発電能力拡大に向け、エネルギー省から最大50億ドルの条件付き融資確約を得たと発表した。
米国では、人工知能(AI)向けデータセンターの増設や輸送分野の電化、暗号資産マイニングの拡大を背景に電力需要が増加している。
トランプ大統領は2050年までに国内の原子力発電容量を4倍に増やす目標を掲げている。ライト・エネルギー長官によると、同省の融資プログラムに数千億ドル規模の融資余力があり、その大半が原子力発電所支援に充てられる見通しという。
今回の設備増強は業界で「アップレート」と呼ばれ、原子炉の主要機器を高効率なものに交換するなどして、原子力規制委員会(NRC)の新たな運転認可を取得せずに発電能力を引き上げることができる。新たな運転認可取得には従来、数年を要する場合があった。
融資が実行されれば、コンステレーションは中西部イリノイ、東部のメリーランド、ペンシルベニアの3州にまたがる8施設でアップレートを実施し、発電容量を約1.1ギガワット(GW)増強する計画。エネルギー省によると、これは93万戸超の家庭に電力を供給できる規模に相当する。
コンステレーションは、この融資によって資金調達コストの低減や計画の前倒しが可能となり、新規原発建設や送電線新設を行わずに発電量を増やせるとしている。
ライト氏はイリノイ州にあるコンステレーションのバイロン原発について、発電能力が現在の2基合計約2.35GWから150メガワット(MW)増加する可能性があると説明。「インフラは全て既に整っている。タービンの交換などによって、より多くの電力を生み出すだけだ」と述べた。
エネルギー省は今月上旬にも、ビストラの原子力発電所向け設備増強を対象に、約42億ドルの条件付き融資内諾を発表している。
NRCの説明では、電力会社は濃縮度をわずかに高めたウラン燃料を使用したり、主タービンを交換したりすることで原発の発電能力を引き上げることができる。こうしたアップレートは1970年代以降、広く実施されてきた。
エネルギー省融資局によると、今回の条件付き融資には、将来的にコンステレーションの追加施設でアップレートを実施する際の資金調達を支援する選択肢も含まれている。