イスラエルで27日、国会(定数120)の総選挙が実施された。出口調査によると、いずれの陣営も過半数を獲得できない見通しで、膠着状態に陥る公算が大きい。予測通りなら、長年首相を務めるネタニヤフ氏(77)に打撃となる可能性がある。一方、対抗馬のアイゼンコット元軍参謀総長(66)の陣営は議席数で上回り、先に組閣の機会を得る可能性がある。
ただ、各政党による連立政権樹立に向けた協議が続く間、ネタニヤフ氏は暫定首相として続投できるため、こうした行き詰まりは同氏に有利に働く可能性がある。
中央選挙管理委員会によると、投票率は77.7%で前回2022年の選挙を約7ポイント上回り、過去20年余りで最高となった。
主要テレビ3局の最新の出口調査結果によると、アイゼンコット氏率いる陣営が52議席、ネタニヤフ氏のリクードを中心とする陣営が50議席を獲得し、アイゼンコット氏側が2議席上回る見通しとなった。
残る18議席は、どちらの陣営にも属さないアラブ系政党が獲得する見通し。ただ、野党ヤシャルを率いるアイゼンコット氏はアラブ系政党との連立をほぼ否定しており、議席数で優位に立ちつつも過半数確保への道は複雑になっている。
ネタニヤフ氏寄りのチャンネル14など一部のイスラエルメディアは、同氏の陣営がはるかに多い計60議席を獲得すると予測した。
最終結果の判明には数日かかる可能性がある。イスラエル国会では単独政党が過半数の61議席以上を獲得した例はなく、連立政権が常態化。政党が乱立しており、小政党が連立協議の行方を左右する「キャスチングボート」を握ることもある。
アイゼンコット氏はガザでの戦争で息子1人とおい2人を失った強硬派の元軍参謀総長で、ネタニヤフ氏の最強の対抗馬として浮上。安全保障分野での実績を強調する一方、国内政策では中道の立場を取っている。
今回の選挙は、2023年10月7日のイスラム組織ハマス主導の攻撃と、それに続くパレスチナ自治区ガザ、レバノン、イランでの戦争以降初めて。有権者が戦時下のネタニヤフ氏の政権運営に審判を下した。
イスラエル史上最多の犠牲者を出した日の心の傷と、その後の戦争に向き合う多くの有権者が投票に足を運び、投票所の外には長い列ができた。
