ブラジル大統領選で現職のルラ大統領に敗れたフラビオ・ボルソナロ上院議員が、連邦最高裁判所のパスポート提出命令に従わずに米国に向けて出国したことが27日、関係筋3人の話で分かった。米国務省は同氏と家族に入国ビザを発給する方針だ。

ブラジル連邦警察の高官は、フラビオ氏が通常の出入国審査手続きを経て国外に出た記録は確認されていないとしている。

フラビオ氏と妻、娘2人の居場所は直ちには明らかになっていない。ボルソナロ家に近い関係筋の1人は、フラビオ氏が米フロリダ州に到着したと述べたものの、具体的な場所については明らかにしなかった。

米国務省の高官は「国務省はフラビオ・ボルソナロ氏と家族にビザを発給し、米国への入国を認める」と述べた。

フラビオ氏の出国は、米国とブラジルの亀裂を深める恐れがある。ルラ氏はこれまでに、米政府がボルソナロ一族と結託して同一族の政権復帰を図っていると非難しており、ロイターは25日の選挙に先立ち、同一族の政権復帰に向けた米国務省の取り組みについて報じていた。

トランプ米大統領はかつて、フラビオ氏の父親であるジャイル・ボルソナロ前大統領が、ブラジルで司法による迫害の犠牲になったと主張していた。

フラビオ氏は大統領選の第1回投票では首位に立っていたが、25日に行われた決選投票でルラ氏に敗北。フラビオ氏は26日、収監されているジャイル氏と面会した後、連邦警察からパスポートの提出を求められたと明らかにしていた。

関係筋によると、フラビオ氏は資金洗浄(マネーロンダリング)捜査の一環として26日に24時間以内のパスポート提出を命じられていた。別の関係筋2人によると、この期限が過ぎたことを受け、同氏のパスポートは失効扱いになっているという。フラビオ氏は不正行為を否定している。

フラビオ氏は2月に上院議員の任期が終了すると、訴追免責特権を失う。同氏は26日、逃亡する考えはないと述べていた。

フラビオ氏の父親のジャイル氏は2022年の大統領選でルラ氏への敗北を認めることを拒否した後、米国に渡航。ジャイル氏はその後ブラジルに帰国したが、クーデターを企てた罪で禁錮27年の判決を受けた。

米国在住のフラビオ氏の弟、エドゥアルド・ボルソナロ氏は大統領選の決選投票前、ポッドキャスターのスティーブン・クラウダー氏に対し「兄が勝てなければ、国外へ出るべきだと考えている」と述べ、フラビオ氏が選挙に敗れた場合には国外移住が必要になるとの認識を示していた。

[ロイター]
トムソンロイター・ジャパン
  Copyright (C) 2026トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
ニューズウィーク日本版 ルポ ドローン戦争——無人の戦場
2026年11月3日/10日号(10月27日発売)は「ルポ ドローン戦争──無人の戦場」特集。

ドローンが空・陸・海の戦闘を支配する「新しい戦争」をウクライナの最前線で見た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます