[ジュネーブ 21日 ロイター] - 国連の世界気象機関(WMO)は21日、エルニーニョ現象の影響で太平洋の海水温が記録的な水準まで上昇する可能性があるとの見通しを示した。洪水や干ばつなどの異常気象を世界各地にもたらす「破壊球(レッキングボール)」になり得ると警告し、各国に早急な備えを呼びかけている。

WMOが公表した季節予報によると、今回のエルニーニョ現象は極めて強い規模に発達する見込みで、11月から来年1月にかけて中部太平洋の海面水温は平年を摂氏約3.8度上回り、12月ごろにピークを迎えるとされる。

WMOのサウロ事務局長は記者会見で「観測記録の中で3.8度という数値は見たことがない。過去の極めて強いエルニーニョでも約3度程度だったが、それでも世界に甚大な影響を与えた」と語った。

エルニーニョ現象は世界的な気温上昇を招くほか、降雨パターンを変化させ、一部地域では干ばつ、別の地域では豪雨を引き起こす傾向がある。この現象そのものは気候変動によるものではないが、地球温暖化によって現象がより強まる恐れがあるという。

WMOはエルニーニョに伴う異常気象が住宅、水資源、衛生、医療サービスへの負担を一段と高めかねないと指摘。南部アフリカでは11月以降に洪水リスクが高まると注意を促した。

また東南アジアでは高温と少雨により農業や水供給への影響が懸念される一方、中南米では降雨量が増加する可能性があるとしている。

WMOと、国連事務次長で人道問題調整事務所(OCHA)緊急援助調整官を務めるトム・フレッチャー氏は、各国に対し早急な対策を講じるよう要請した。

フレッチャー氏は「今回のエルニーニョは巨大な“怪物”で、破壊球のようなものだ。中南米、東・南部アフリカ、アジア、太平洋地域に極端な高温、干ばつ、洪水をもたらすだろう」と述べ、大規模な人道危機につながる恐れがあると訴えた。

同氏によると、この影響により最大で5000万人前後が深刻な食料不足に直面してもおかしくないという。

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