日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。

2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。

先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。

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日本の製造業が抱える大きな問題の1つ、それは言うまでもなく人手不足だ。経済産業省、厚生労働省、文部科学省がまとめた「2026年版ものづくり白書」によれば、事業に影響を及ぼす問題として「原材料価格の高騰」や「エネルギー価格の高騰」に加え、多くの製造業者が「人材・労働力不足」を挙げたという。

そんななか、従業員ファーストの健康経営と働き続けやすい職場づくりを通して、企業としての持続可能性を高めようとしているのが、埼玉県川口市に本社を置くアルミ製額縁メーカーの株式会社アルナだ。

長期目標「300年企業」実現のカギは

アルナは1967年創業。一般的な額縁に加え、スポーツのユニフォームなどを飾るためのコレクションケースや、世界的なデザイン賞を受賞したアルミ額縁ブランドの「ALUMIUM(アルミアム)」シリーズなど、高い加工技術とデザイン性を生かした製品を国内外に送り出している。

同社では「300年企業」という長期目標を掲げており、目標実現のカギとして注力しているのが、「従業員が心身ともに健康で、安心して長く働き続けられる環境づくり」だ。

「製造業において、一人ひとりの社員が長年の経験を通して身につけた加工技術や品質に対する感覚は、会社の重要な財産です」と代表取締役社長の雪山大氏は言う。

「社員が健康上の理由や、仕事と家庭の両立の難しさから離職してしまうようなことがあれば、本人にとっても会社にとっても大きな損失です」

だから子育て中の社員が、家庭と仕事を両立しやすい環境作りにも努めている。鹿児島県薩摩川内市の自社工場では病児保育施設との提携を行い、子供が急に体調を崩した際の受け皿を用意した。営業部門では、状況に応じてリモートワークも可能だ。

もちろん、製造業という性質上、どの職種にも一律に同じ施策を導入できるわけではない。そこで全社員に同じ制度を適用することにこだわるのではなく、営業、事務、製造など、それぞれの業務特性に合わせて働きやすさを改善するよう努めているという。

業務特性に合わせて働きやすさを改善