[ニューヨーク 14日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロなどの主要通貨に対し上昇した。米国の9月の消費者物価指数(CPI)の伸びが加速したことを受け、連邦準備理事会(FRB)が今月末に開く会合で追加利上げを決定するとの観測が再燃したことでドルに買いが入り、主要通貨に対するドル指数は約1年半ぶりの高値を付けた。ただ、その後はFRBは慎重な姿勢を維持するとの見方が再び広がり、ドルは上げ幅を縮小した。
労働省が朝方発表した9月のCPIは前年比3.7%上昇と、伸びは8月の3.4%から加速。エコノミスト予想の3.6%も上回った。変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比2.6%上昇。8月の2.4%から加速し、予想の2.5%も上回った。
FRBの金融政策を巡っては、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁やボウマンFRB副議長らからハト派的な発言が相次いでいたが、こうした発言による影響は9月CPI統計を受けて後退した格好となった。また、インフレ圧力が経済全体に広がりつつあるとの懸念が広がる中、FRBがこの日の午後に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米国の労働市場は雇用も解雇も低水準にとどまる状態が続く一方、一部地域でインフレ圧力が強まっていることが示された。
ステート・ストリート(ボストン)のシニア・グローバル市場ストラテジスト、マービン・ロー氏は「ドルを買い進める新たな材料が加わった」と指摘。メシロー・カレンシー・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、ウト・シノハラ氏は「労働市場の弱さを示す兆候が出ていることで、物価安定と最大雇用というFRBが担う2つの責務は互いに緊張関係にある」と指摘。「個人消費、労働市場、物価圧力を巡る状況は、15日に発表される小売売上高、新規失業保険申請件数、卸売物価指数(PPI)などの指標でより明確になる」と述べた。
FRBは9月15─16日の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイントの利上げを決定。利上げは2023年7月以来、3年2カ月ぶりで、決定は全会一致だった。9月のCPI統計発表直後、今月27─28日のFOMCで追加利上げが決定される確率は約45%と、CPI統計発表前の約22%から上昇した。ただその後は利上げ観測はやや後退し、CMEフェドウォッチによると、10月のFOMCで金利据え置きが決定される確率は65%。同時に、2027年末までに合計約79ベーシスポイント(bp)の利上げが実施されるとの予想も織り込まれている。
アンジェレス・インベストメンツのマイケル・ローゼン最高投資責任者(CIO)は、投資家の間で米国がインフレ抑制に取り組む姿勢への信認が低下しつつあると指摘。「金利上昇に支えられ、ドル高が進んでいる」とし、「FRBが大幅な利上げによって景気後退を招くか、米政府の通商政策や移民政策が修正されない限り、インフレは低下しない」と述べた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.34%高の102.53。朝方の取引では102.94まで上昇し、2025年4月以来の高水準を付けていた。
ユーロ/ドル は0.41%安の1.1152ドル。一時約17カ月ぶりの安値を更新した。英ポンド/ドルは0.59%安の1.3177ドル。
ドルは対円では0.08%安の158.16円と、小幅ながら下落した。
ドル/円 NY終値 158.31/158.34
始値 158.43
高値 158.94
安値 158.06
ユーロ/ドル NY終値 1.1156/1.1159
始値 1.1189
高値 1.1198
安値 1.1114