[バンコク 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は14日、フランスは財政健全化を通じて自国の債務問題を解決すべきだと述べ、ECBによる債券市場への介入観測を事実上けん制した。
フランス国債は、世界的な債券売りで特に大きな打撃を受けている。投資家は、2027年の大統領選を控えた政治的な駆け引きが、多額の財政赤字の削減に向けた政府の取り組みを妨げる可能性を懸念している。
ラガルド氏は、ECBがフランスの支援に乗り出すのかと問われ、投資家の不安を和らげるのはフランス政府の責任だと述べた。
バンコクで開かれたCNNのイベントで「一部の国がより大きな影響を受けるのには、それぞれ固有の事情がある。フランスはその一例だ」と指摘。「フランスの場合、何よりもまず解決策を見いだすべきなのは国内であり、財政政策に関わる問題だ」と語った。
アナリストの間ではここ数週間、ECBが危機対応手段である「伝達保護措置(TPI)」を通じ、フランス国債の買い入れを始めるのではないかという観測が広がっている。
TPIは、ある国が市場で圧力にさらされ、その圧力が「正当な理由を欠き」「無秩序」で、政策金利の効果がユーロ圏全域に波及するのを脅かしているとECBが判断した場合に発動できる。
ラガルド氏は金融政策に関する質問には、ユーロ圏の現在の高いインフレ率は、イラン戦争に伴うエネルギー価格の急騰が「唯一ではないが、主な」要因だと述べた。
他の物価への「二次的影響」はまだ見られないものの、ECBは賃金交渉での労働組合の要求など、「兆候」を注視しているとした。
「影響がはっきりと現れるまで待つことはできないが、予測することはできる」とし、そうした兆候を「非常に注意深く追っている」と述べた。
ECBは過去4カ月で2回利上げを実施しており、12月にも再び利上げすると予想されている。
ラガルド氏は、国際通貨基金(IMF)が予測する2026年のユーロ圏域内総生産(GDP)成長率1.1%について、「素晴らしいとは言えない」が「悪い結果でもない」と述べた。ドイツ政府によるインフラや軍事分野への支出が引き続き成長を支えると指摘した。