Stephanie van den Berg

[ハーグ 13日 ロイター] - 今年のノーベル平和賞に選ばれたナバネセム・ピレイ元国連人権高等弁務官(85)は13日、ロイターのインタビューで、国際刑事裁判所(ICC)への圧力を強めている米国に対して、人権と自由を擁護する世界のリーダーとしての伝統的な役割に立ち返るよう求めた。

国連の最高司法機関である国際司法裁判所(ICJ)の特任裁判官を務めるピレイ氏は、オランダのハーグで「私のメッセージは『世界の指導者として、そして世界の人々を解放へ導く役割を再び果たすべきだ』ということだ」と訴えた。

ピレイ氏のノーベル平和賞受賞が発表された9日、米国は同氏のかつての勤務先であるICCを対象とした大規模な制裁措置を発表。ピレイ氏はこの制裁のタイミングについて「偶然とは思えない」と指摘した。

その上で「非常に残念だ。しかし、ICCを通じた国際刑事司法を標的にする計画は以前から進められていた。ニュルンベルクからハーグに戻って最初にしたことは、ICC職員を訪問し、国際刑事司法を推進する彼らの活動に連帯を示すことだった。既に制裁を受けている人々を守るためでもあった」と語った。

ルビオ米国務長官は9日、ICCを「ならず者裁判所」と呼び、米国人を訴追することは決して認めないと表明した。制裁措置には6カ月間の猶予期間が設けられ、通信、ソフトウエア、年金支払い、被拘禁者関連の取引などには一部例外が認められている。

米国は長年にわたりICCに批判的な立場を取ってきた。特に、加盟国の国民だけでなく、加盟国の領域内で残虐行為を行ったとされる非加盟国の国民に対しても裁判権を有すると定める規定に反発している。

トランプ米大統領は、ICCが2024年にイスラエルのネタニヤフ首相とガラント前国防相に対して逮捕状を発付したことに強い怒りを持っており、政権はここ数カ月、ICCへの圧力を一段と強化している。

ピレイ氏は昨年、国連のパレスチナ占領地域に関する調査委員会の委員長を務め、イスラエルがパレスチナ自治区ガザでジェノサイド(集団殺害)を行ったと結論付けた。これに対してイスラエル側は当時、この報告書を「言語道断」として退けていた。

ピレイ氏は13日、この報告書を否定する動きについて「イスラエルを支持するロビー団体による虚偽のプロパガンダだ」と批判した。

一方、平和賞受賞を知った際に最初に思ったことについて「1901年以来、女性受賞者がわずか21人目であることだった。それ自体が女性に対する不平等がいかに根深いかを物語っている」と述べた。

現在でも戦争犯罪の訴追において性的暴力が十分に追及されていないと指摘。主に男性の検察官らが、性的暴力の立証が事件全体の訴追を弱めると考えていることが一因だとの見方を示した。

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