自転車大好きの少年ディラン(当時10歳)は血まみれで担架に横たわっていた。着ていたブルーのTシャツはまくり上げられ、救急隊員が必死で心肺蘇生を試みていた──が、間に合わなかった。

2024年7月、南米コロンビア南西部のカウカ県で子供たちがサッカーに興じていたところへドローンが飛来し、爆弾を投下した。翌朝、SNSに投稿された動画によれば、ディランはその場で死亡。ほかにも12人が重軽傷を負い、近くにいた2歳の女児も、後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたという。

このドローン攻撃を、コロンビア政府軍は反体制派の武装組織EMC(中央参謀本部)による犯行と断定している。EMCは、16年に政府側と和平協定を結んで武装解除に応じたFARC(コロンビア革命軍)の残党が結成した武闘派の集団。

当初はディラン少年殺害への関与を否定していたが、後に責任を認めた(ただし、あくまでも「事故」だったと主張している)。

それはあまりに悲惨な映像だったが、今にして思えば恐怖の時代を先取りしていたとも言える。コロンビアだけではない。中南米諸国で暗躍する武装集団の多くは、今や当たり前のように市販のドローンを武器として攻撃を仕掛け、平気で一般市民を巻き添えにしており、治安当局は対応に追われている。

市長の自宅にドローン爆弾
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