Kalea Hall Mike Colias
[29日 ロイター] - 米大手自動車メーカー、フォード・モーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は29日、米国は「中国の自動車メーカーがわが国にどのように進出するのか極めて慎重でなければならない」とし、中国からの輸入車に市場シェアを急速に奪われて「もう手遅れになっている」欧州の自動車産業を反面教師にすべきだと警鐘を鳴らした。自動車メディア「オートモーティブ・ニュース」の会議で語った。
ファーリー氏は、資本効率が良く、フォードが専門知識を欠いている分野では中国企業との協業を進めると説明。一例としてフォードは中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL) と提携し、米中西部ミシガン州の工場で生産する車載用電池のコスト低減につなげている。
フォードは欧州向けの電気自動車(EV)を中国の吉利汽車 と共同開発することを7月に発表するなど、自動車と電池技術で中国企業と提携していることが批判を浴びてきた。
これについてファーリー氏は「当社は中国勢と直接競争もするつもりだ」とし、「互いに排他的であるわけではない」との見解を示した。
ダフィー米運輸長官は今月、ファーリー氏宛ての書簡で、フォードが中国企業との提携によって「将来の命運を、中国の国営企業と密接に結び付けてしまっている」との懸念を表明した。
中国が自動車の輸出大国として急速に台頭していることは、日本やドイツから米国に至るまでの自動車業界の経営陣を動揺させている。中国の2026年の自動車輸出台数は約1200万台となり、22年の約300万台と比べて急増する見通しだ。主な輸出先には欧州や中南米などが含まれる。
米国はこれまで、中国製自動車用ソフトウェアの輸入禁止や、100%を超える輸入関税によって中国からの自動車輸入を事実上遮断してきた。それでも自動車業界の幹部らはこの状況が長期的には維持されないのではないかと不安視し、自動車メーカーやディーラー、部品サプライヤーのロビイストらは恒久的な禁止措置を実施するように米議員らに働きかけている。