研究者、支援活動家、そして日本料理店の店主。現在、旧アサド政権への抵抗闘争の傷跡が生々しく残るシリアの首都、ダマスカスで暮らす唯一の日本人である山田一竹さん(33)には、3つの顔がある。

2024年末に崩壊したアサド政権の下で運営されていた拘禁施設などを調査する一方、自ら立ち上げたNPO法人「Stand with Syria Japan(SSJ)」では、サバイバー(アサド政権強制収容所生存者)の社会復帰や避難民の帰還、住宅再建などに取り組む。その傍らで、日本料理店「こめ丸」も運営する。

ダマスカスでオープンした日本料理屋、こめ丸
ダマスカスでオープンした日本料理店、こめ丸 (山田さん提供)

一見するとばらばらに見える活動だが、山田さん自身の中ではすべて一本につながっている。日本料理店についても「研究や支援といった活動とは大きく離れているように見えますけど、私の中では全部つながっているんです」と話すが、一体どういうつながりなのか。

大学生の頃から長年シリアに関わってきた山田さんが、実際に初めて現地へ入ったのはアサド政権崩壊後の2024年12月だった。日本大使館も逃げ出すようなシリアを「故郷」と呼び、この国で研究、支援、そして店づくりを続けている。

なぜ、1人の日本人がここまで深くシリアに関わるようになったのか。その背景をたどると、現在の活動だけでは見えてこない、山田さん自身の価値観や、シリアとの十数年にわたる関係が浮かび上がってきた。

「クラスの裁判官」とシリアとの出会い
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