※近年、激動の国際情勢を表現する語彙は、かつてないスピードで更新され続けています。Tech RightからCognitive Warfare、活人感、AI Slopまで――。ウェブ特集「いくつ知ってる? 世界を読み解くキーワード」では、その背景にある文脈とともに解説します。
De-risking(デリスキング)
中国との経済関係を完全に断つ「デカップリング(分離)」ではなく、リスクの高い分野(先端技術・重要インフラなど)に絞って依存度を低減する方針。
フォンデアライエン欧州委員長が2023年の演説で打ち出し、その後、G7首脳会議のコミュニケにも採用された。中国との経済関係の完全な分離が現実的でないなか、EUの対中戦略の基本方針となっている。
ただし、足元ではEUで中国企業の参入拡大により対中強硬論が盛り上がっている。アメリカではバイデン政権下で基本的な対中政策方針に据えられていたが、トランプ政権下ではほぼ聞かれなくなった。アメリカの中国関与派からは、協力すべき分野と分離すべき分野を分ける「キャリブレーテッド・カップリング」という考え方が提案されている。
今後、中国が最先端技術を有する「新しい世界」に突入する。何を協力し何を切り離すかは、非常に重要な論点になる。
[監修]
赤平 大寿
日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューヨーク事務所調査部ディレクター。アメリカの通商政策を中心に調査・情報発信を行う。2015~17年、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の客員研究員。

※2026年9月22日/29日号「ニュースが分かる 国際情勢BUZZワード50」特集では、50のキーワードを一挙に解説。米中ネット社会を読み解くコラム、「次の時代」を考えるコラムも掲載しています。
トランプ思想・世界経済・安全保障の新常識。今盛んに使われるキーワード50を徹底解説