Jonathan Saul
[ロンドン 24日 ロイター] - サウジアラビアでは、紅海側の主要積み出し拠点ヤンブー港で原油を積むタンカーの保険料がここ数週間で約3倍に上昇し、原油輸出ルート確保の難しさが一段と増している。複数の業界関係者がロイターに明らかにした。
イランが米国とイスラエルによる空爆への対抗措置として3月以降、ホルムズ海峡を通じたペルシャ湾岸産油国の輸出を制限したことを受け、サウジは「東西パイプライン」経由で世界の供給量の4%に相当する日量約400万バレルを紅海経由に迂回させた。
しかしサウジは9月11日、イラクから飛来したとみられるドローン(無人機)攻撃を受け同パイプラインの運用を停止。サウジは現在、輸送量の回復を進めているが、業界関係者や衛星画像、船舶データによると、ヤンブー港からの原油積み出しはまだ再開していない。
業界関係者4人がロイターに明らかにしたところでは、ヤンブーに寄港するサウジ関連タンカーの戦争リスク保険料の提示額は、船舶価値の約3%に上昇した。7月初旬には1%未満だった。イエメンの親イラン武装組織フーシ派がバベルマンデブ海峡周辺の船舶を攻撃したことから、ロンドンの海上保険市場がこの海域を高リスク地域に指定し、保険料が高騰した。
ヤンブー以南の港の保険料はもっと高く、イエメンとの国境から約80キロに位置するジーザーンなどの港は、7月初旬に約1%だった提示保険料が最大7%まで上昇する可能性があるという。これはホルムズ海峡を通過する場合の6―9%にほぼ匹敵する。
業界関係者4人の話を聞くと、サウジとの関係がないタンカーが紅海を通過する場合、通常の戦争リスク保険料は0.2―0.3%程度で、さらに割引が適用されることも多いという。
海上保険市場では、実際に合意された保険料率を示す公表データは存在せず、ブローカーや保険引受会社が提示する料率とは異なる可能性がある。
それでも、提示保険料が急上昇していることは、サウジが代替輸出ルートを整備するために数十億ドルをインフラへ投資してきたにもかかわらず、現在ではホルムズ海峡に依存する他の湾岸産油国と同様の制約に直面していることを示している。