元メジャーリーガーで2632試合連続出場という前人未到の記録を持ち、「鉄人」と呼ばれたカル・リプケン・ジュニア。21年間の現役生活を地元ボルティモア・オリオールズ一筋で過ごし、野球史に名を刻んだ。
だが、本人がいま「最も大切な連続記録」と語るのは、グラウンド上で築いた記録ではない。
父カル・リプケン・シニアを肺がんで亡くした2年後、リプケンは家族とともに父の名を冠した財団を設立した。出発点は、故郷メリーランド州アバディーンの子供たちを支援するという小さな取り組みだった。
それから四半世紀以上。活動は全米へと広がり、メンタリングプログラムやスポーツ施設の整備、STEM教育の支援を通じて、これまでに1400万人を超える若者たちに機会を届けてきた。
なぜ、引退後の人生を子供たちの支援に注ぐようになったのか。野球から学んだ「継続」と「チーム」の力は、社会貢献の現場でどう生かされているのか。
野球が自分に与えてくれたもの、両親から受け継いだ価値観、そして次の世代に残したいものについて、カル・リプケン・ジュニア本人が語る。
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27年前、父カル・リプケン・シニアを肺がんで亡くした。その2年後、私たちは父の名を冠した非営利団体を立ち上げた。私たちが子供時代に恵まれていたような環境を持たない子供たちを支援することで、父の遺志を受け継ぎたいと考えたからだ。
設立当初、カル・リプケン・シニア財団の目標はとてもシンプルだった。故郷メリーランド州アバディーンの子供たちを支援すること。それがこれほど長く、大きな活動につながっていくとは、当時は想像もしていなかった。