スマートフォンやSNS、AIが生活の隅々まで入り込み、私たちはかつてないほど長い時間をオンラインで過ごすようになった。その一方で、Googleの検索データからは、意外な変化も見えてきている。

2026年に入り、「デジタルデトックスの方法」の検索数は大きく増加。「touch grass(草に触れる)」という、画面から離れて現実世界に戻ることを意味する言葉への関心も高まっている。

さらに、編み物や刺しゅうといった手仕事、テニスやランニング、ハイキングなど、実際に体を動かす活動への検索も過去最高を記録している。ランニングクラブの探し方や、そこで友人をつくる方法を調べる人も増えており、人々が求めているのは運動だけではなく、リアルな人間関係でもあるようだ。

人々はテクノロジーに疲れ、それを遠ざけようとしているのか。それとも、オンラインを現実世界へ踏み出すための道具として使い始めているのか。AIの普及によって、検索と私たちの生活の関係はこれからどう変わるのか。

何兆件もの匿名化された検索データから、人々の関心や行動の変化を読み解いてきたGoogleのデータエディター、サイモン・ロジャース氏。今年、その知見をまとめた著書『What We Ask Google』を刊行した同氏が、検索データから見えてきた人々の変化を語る。

今年、Googleの検索データには、非常に明確な社会全体の傾向が表れている。人々は「オフラインでつながる方法」を探しているのだ。

「デジタルデトックスの方法」の検索数は2026年初めから110%増加し、「how to touch grass(草に触れる方法)」は急上昇検索ワードとなった。「touch grass」の意味を知らない? それは決してあなただけではないようだ。

今年、「meaning of touch grass(touch grassの意味)」の検索数は90%増えている。これは簡単に言えば、スクリーンから離れ、現実の世界と再びつながるために休憩を取る、という意味だ。

ここには皮肉があることも承知している。人々は手に持っている端末に向かって、その端末をどうやって手放せばいいのかを尋ねているのだから。

デジタルの先に、人とのつながりを求めて
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