Elizabeth Piper Alistair Smout
[ニューヨーク/ロンドン 22日 ロイター] - 英国のバーナム首相は21日、欧州連合(EU)の域内の工業部品・製品を優遇する 「メード・イン・ヨーロッパ」構想に対し、英国が「信頼されるパートナー」となるべきだと主張する考えを示した。英国の自動車産業に打撃を与える可能性がある構想を巡って、EUを英国と対立する存在として位置付けるべきではないと訴えた。
この構想は、欧州域内で製造された製品を優遇することで、中国製部品への依存度を抑えることを目的としている。しかし、EUのサプライチェーン(供給網)に部品を供給し、域内各国に自動車を販売している英国の自動車業界は、この構想を懸念している。
バーナム氏は国連総会に出席するためニューヨークへ向かう機内で記者団に対し、この構想への英国の参加を支持する声があるとの認識を示した。
同氏は「欧州の主張はわれわれに向けられたものではない。特に鉄鋼分野をはじめ、われわれもEU各国と同じ影響を受けている」と語った。
英国政府はこれまで、「メード・イン・ヨーロッパ」構想がサプライチェーンに影響を及ぼし、英国と一部のEU加盟国との間に不要な貿易障壁を生み出す可能性があると主張してきた。バーナム氏は双方に対し、これ以上の「巻き添え被害」を避けるよう求めた。
バーナム氏は「メード・イン・ヨーロッパ」構想について「われわれは敵ではなく、問題の原因でもないということを訴えている」と述べた。その上で「問題のなかったところに新たな問題を引き起こさず、共通の目的を追求できる分野で、信頼されるパートナーとなれるよう取り組もうではないか」と呼びかけた。
英国自動車工業会(SMMT)は22日、英国がEUの「メード・イン・ヨーロッパ」構想から除外されれば、英国の自動車産業が危機に直面し、EU経済への貢献も損なわれるとの見解を示した。
SMMTによると、英国とEUの自動車分野における年間貿易額は800億ユーロに上る。サプライチェーンが相互依存関係にあるため、英国が構想から除外されれば、欧州の自動車メーカーも打撃を受けるという。
SMMTの最高責任者マイク・ホーズ氏は、英国の除外は「自滅行為」であり、「競争力を弱め、規模の経済を損ない、消費者の選択肢を狭めることになる」と警告した。
SMMTの警告について問われた英政府報道官は「欧州全体の業界に利益をもたらす解決策を見いだすための協議が行われるだろう」と述べた。