Shadia Nasralla
[ロンドン 22日 ロイター] - サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは事業再編の一環として新たなガス部門を設置する計画で、将来的な資金調達手段として事業部門の上場も視野に入れている。事情に詳しい関係者2人がロイターに明らかにした。
今回の事業再編は、事業の一部を外部投資家に開放しつつ、経営権は維持し、石油生産の中核部門については大規模な外部資本の受け入れを避けるという、既存の経営戦略に沿っている。こうした戦略としては、アラブ首長国連邦(UAE)国営石油会社ADNOCが、ガス、掘削、燃料小売り事業の株式を上場したケースなどがある。アラムコ自体も上場しているが、石油化学大手サウジ・ベーシック・インダストリーズ(SABIC)などの上場子会社も保有している。
新たなガス事業部門を設けることで、国内の天然ガス資源の開発を進めつつ、海外で液化天然ガス(LNG)部門のポートフォリオ構築を図る、より専門性の高い事業基盤を持つことが可能になる。
アラムコは長年にわたりサウジ経済を支えてきたが、米・イスラエルの対イラン戦争で主要な輸出ルートが混乱する中、サウジの石油への依存度を低下させる取り組みを支えるため、外部資本の調達を進めている。
関係者の1人によると、今回の再編により、アラムコの主要事業は現在の「上流」と「下流」の2部門から3部門となり、各部門にはそれぞれ社長職が置かれる予定。アラムコは資金調達の別の手段として「リース・アンド・リースバック」契約なども検討しているという。
また別の関係者によると、アラムコは資金調達の選択肢の一つとして、ガス部門の少数株式を上場する可能性も検討している。モデルとして念頭にあるのは、アラムコが2019年にサウジ取引所に少数株式を上場した事例だという。
アラムコは昨年、ジャフラガス田の処理施設を対象とするリース・アンド・リースバック契約を、ブラックロック傘下のグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(GIP)が率いるコンソーシアムと締結し、110億ドルを調達した。 ジャフラは米国外では最大級となる可能性があるシェールガス開発案件で、昨年操業を開始した。