※近年、激動の国際情勢を表現する語彙は、かつてないスピードで更新され続けています。Tech RightからCognitive Warfare、活人感、AI Slopまで――。ウェブ特集「いくつ知ってる? 世界を読み解くキーワード」では、その背景にある文脈とともに解説します。
Moratorium(モラトリアム)
大型データセンターの建設許可を、環境影響評価調査などが完了するまで一定期間停止する法律や行政命令を指す。
AIブームによって、大型データセンターの開発が急増している一方で、電力価格の高騰、水資源の逼迫、土地不足などが課題となっており、データセンターの新設を規制する動きも同時に広まっている。
アメリカでは今年7月に、ニューヨーク州がデータセンターの導入規制を設けた初めての州となった。同様の動きは欧州やアジアでも見られる。データセンター建設の遅れにより、生成AIの処理能力が不足すれば、新しいモデルの学習やサービス提供が遅れる可能性がある。
また、グーグルやアマゾンなどのハイパースケーラーによる巨額投資が回収リスクにさらされることになり、金融市場へ悪影響を及ぼすことも考えられる。今後の経済の牽引役となるAIが順調に発展していくのか、その先行きを見通す上で重要な動きだ。
[監修]
赤平 大寿
日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューヨーク事務所調査部ディレクター。アメリカの通商政策を中心に調査・情報発信を行う。2015~17年、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の客員研究員。

※2026年9月22日/29日号「ニュースが分かる 国際情勢BUZZワード50」特集では、50のキーワードを一挙に解説。米中ネット社会を読み解くコラム、「次の時代」を考えるコラムも掲載しています。
トランプ思想・世界経済・安全保障の新常識。今盛んに使われるキーワード50を徹底解説