中東情勢の緊張化に伴う原油価格の急騰とインフレ圧力の根強さを背景に、金融市場は歴史的な岐路を迎えています。欧州中央銀行(ECB)が9月11日に政策金利を2.5%へ引き上げたことに続き、アメリカ連邦準備理事会(FRB)と日本銀行による金融政策を決める会合が今週相次いで開催されます。
日米欧の中央銀行が揃って利上げとなる可能性が高まるなか、市場参加者の視線は、その後の相場展開に集中しています。
アメリカ ウォーシュ体制下初の利上げへ
9月15〜16日(現地時間)に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げが実施される見通しが急浮上しています。
11日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIが前月比0.3%上昇し、市場予想の0.2%上昇を上回りました。携帯電話料金の急騰や、データセンター建設の拡大に伴う関連機器の価格上昇が物価を押し上げています。8月の卸売物価指数(PPI)も前年同月比5.4%上昇と伸びが加速しており、インフレの高止まりが鮮明です。
就任以降、政策の方針を事前に示す「フォワードガイダンス」を抑制してきたFRBウォーシュ議長は、8月末のジャクソンホール会議で、基調的インフレが2%へ向かう確信が得られなければやるべき仕事がある、という趣旨の発言をしていました。CPIの発表を受け、金利先物市場が織り込む9月の利上げ確率は85〜90%程度に達し、12月までの追加利上げ見通しも強まっています。
一方で、利下げを強く求めてきたトランプ大統領からの批判や反発を招くリスクも懸念されています。しかし、金利の据え置きを決定した7月会合ですでに3名の反対票が出ていたこともあり、タカ派姿勢を示すことで、7月会合後に揺らいだFRBへの信認を回復させる狙いがあるとみられます。
日本 3か月ぶりの利上げで政策金利1.25%へ
日本銀行は9月17〜18日の金融政策決定会合で、政策金利を現在の1.0%から1.25%へと引き上げる方針です。前回からわずか3か月(2会合)での追加利上げとなり、2024年3月のマイナス金利解除以降で最も短い間隔での決定となります。
1.25%への引き上げが実現すれば、1995年以来、31年ぶりの高水準です。背景にあるのは、原油価格の再騰と物価の上振れリスクです。8月の企業物価指数は前年同月比7.6%上昇となり、3か月連続で7%台の高い伸びを記録しました。