5000ドル(約76万8000円)という金額は、使い道を考えるだけでも楽しい。休暇に出かける? たまったクレジットカードの支払い? それとも中古車を買う?

トランプ米大統領は11月の中間選挙で共和党が連邦議会の上下両院で多数派を維持すれば、アメリカの成人全員に5000ドルの「トランプ配当」を支給すると宣言した。

「共和党が勝てばアメリカ人全員に5000ドル」

ただし、昨今のインフレ下では注意が必要だ。約束の5000ドルが有権者の元に届く頃には、同じ金額が家計から出ていっているのだから。

新議会が発足し、トランプ配当の支給を検討できるようになるのは2027年1月。米労働統計局のデータに基づく本誌の試算によれば、それまでに標準的な世帯の消費予算は、トランプの大統領復帰以降の物価上昇分だけで約5000ドルの追加負担を強いられている可能性がある。

試算の出発点はアメリカ人の実際の消費額だ。労働統計局によれば、平均的な「消費単位」の24年の支出額は7万8535ドル。このうち消費者物価インフレ率による比較には適さない、個人保険・年金の9797ドルと現金による寄付の2292ドルを除くと、標準的な消費関連支出は年間約6万6446ドル、月額では5537ドルになる。

2期目のトランプ政権発足直前に当たる24年12月の消費者物価指数(CPI)は315.605。26年7月には333.918に達し、発足前の水準を約5.8%上回った。

各月の物価上昇分を月額5537ドルの消費支出に当てはめると、25年12月までの追加負担額は累積で約1356ドル、26年3月までに1978ドル、7月までに3269ドルになる。

この段階から物価が上昇しないという極めて控えめな前提を置いたとしても、追加負担の累積額は12月末までに約4876ドル、27年1月には5000ドルを超える。

インフレ下で全世帯に数千ドルを配ると……
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