Yoshifumi Takemoto
[東京 18日 ロイター] - 中東情勢の長期化を見据え、日本政府が危険地域を運航する原油タンカーの再保険を支援する新法を検討していることが分かった。タンカーの運航が困難になり、原油調達が滞るリスクを防ぐ。複数の政府関係者が明らかにした。
早ければ秋の臨時国会で法案提出を目指す。海運会社は船舶を運行するに当たり、事故や災害に備えて損害保険会社と保険契約を結ぶ。リスクが高い場合、国内損保会社は負担を分散するため海外の保険会社と再保険契約を結ぶことが多い。新法は再保険が困難な場合に政府が保険金を肩代わりできるようにするもので、原油の安定調達を後押しする。
米国とイスラエルによるイランへの攻撃で中東情勢が一気に緊迫した3月、自民党は欧州の民間保険会社による再保険が拒否されたり、保険料が高騰さたりする場合に備えて「政府再保険」の仕組みをつくるよう政府に提言した。ホルムズ海峡を経由しないエネルギーの代替調達先や代替ルートを確保することも求めた。
米国とイランは停戦に向けた覚書を6月に交わしたものの、協議は平行線をたどり、今月18日に交渉期限を迎えた。イラン当局者は「防衛」から「全面的な攻勢」への転換を示唆している。一方、トランプ米大統領はイランに「降伏」を求めており、先行きへの不透明感は強まっている。
日本政府は2012年、政府が民間企業に代わり保険を提供する「イラン特措法」を成立させた。欧州連合(EU)がイランへの経済制裁の一環として、域内企業によるイラン産原油輸送の再保険を禁止したためだ。新法は同特措法を事実上拡充する内容となるが、所管は同法を担った国土交通省ではなく、経済産業省となる見通しだ。
米国は3月、国際開発金融公社(DFC)が湾岸地域で戦争リスクを含む海上再保険を最大200億ドル規模で提供すると発表している。